セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-分子標的治療2

タイトル 肝P-234:

Scoring system for switching Sorafenib from TACE in advanced HCC

演者 平岡 淳(愛媛県立中央病院・消化器病センター)
共同演者 清水 祐宏(愛媛県立中央病院・消化器病センター), 白石 明子(愛媛県立中央病院・消化器病センター), 今井 祐輔(愛媛県立中央病院・消化器病センター), 達川 はるか(愛媛県立中央病院・消化器病センター), 山子 泰加(愛媛県立中央病院・消化器病センター), 中原 弘雅(愛媛県立中央病院・消化器病センター), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院・消化器病センター), 道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院・消化器病センター)
抄録 【背景/目的】JSHコンセンサスに基づく肝細胞癌(HCC)治療アルゴリズムではソラフェニブ(NEX)が肝動脈塞栓術(TACE)不応症例に対しても選択肢とされる.肝外転移・脈管浸潤のないHCCでTACEから治療切り替えの判断は施設間で統一されていない.「TACE不応」でネクサバールなど他治療への切り替えを判断する基準が必要である.治療の切り替えを判断するタイミングを検討する.【対象/方法】当科にて2000年から2011年の間に,TACEにて繰り返し加療を行った,ミラノクライテリアを逸脱した画像上脈管浸潤と遠隔転移がないChild Pugh 分類Aの進行HCC154症例.TACE施行不能例は除外した.AFP 100ng/mL以上,L3分画 10%以上,PIVKA-II 100mAU/mL以上を各々スコア1点として合計スコア別に分けて,TACEで繰り返し治療を開始した後の予後を検討した.【結果】平均年齢は69.9歳,男性121例,女性33例,HCV:HBV:HBV+HCV:NBNC=112:8:3:31.初発:再発=50:104(再発症例の初回治療;手術39,ラジオ波41,エタノール注入5,ミラノクライテリア逸脱前からTACE19).多発:単発=147:7.平均最大腫瘍径3.3±2.5cm.50%生存期間はスコア0点で1410日(n=42),1点で994日(n=49),2点で719日(n=29),3点で661日(n=34)であった.スコア0,1の50%の症例がスコア2以上になるのに要した期間は各々1253日,427日であった(P<0.01).スコア0,1の症例が治療経過中にスコア2以上に進行した時点(n=46)からの50%生存期間は495日であった.スコア2以上になった症例の予後は1.5~2年と短く,SHARP試験のサブ解析で同様の症例における生存期間(14.5ヶ月)とほぼ同等であった.【結語】スコア2はTACE反復例でTACE加療継続の是非を判断する境界と考えらた.今後更なる検討が必要であるが,初発,再発症例ともスコア2以上となってから「TACE不応」を示す症例はNEXを含む次治療へ切り替えて治療反応をみることを考慮すべきかもしれない.
索引用語 肝細胞癌, ソラフェニブ