セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-分子標的治療2

タイトル 肝P-236:

ソナゾイド造影エコーによる肝細胞癌に対する分子標的治療薬の早期治療効果予測に関する検討

演者 倉橋 知英(市立池田病院・消化器内科)
共同演者 井倉 技(市立池田病院・消化器内科), 今井 康陽(市立池田病院・消化器内科), 福田 和人(市立池田病院・消化器内科), 澤井 良之(市立池田病院・消化器内科), 小来田 幸世(市立池田病院・消化器内科), 牧野 祐紀(市立池田病院・消化器内科), 水本 塁(市立池田病院・消化器内科), 大西 孝典(市立池田病院・消化器内科), 卜部 彩子(市立池田病院・消化器内科), 八木 麻衣(市立池田病院・消化器内科), 松本 康史(市立池田病院・消化器内科), 中原 征則(市立池田病院・消化器内科), 厨子 慎一郎(市立池田病院・消化器内科), 黒川 正典(市立池田病院・消化器内科), 関 康(市立池田病院・放射線科)
抄録 【目的】進行肝細胞癌に対するソラフェニブは長期投与による生存期間の延長を期待されており,その治療効果を予測するバイオマーカーの同定が望まれる.今回,我々はソラフェニブ投与早期の血流変化が治療効果や無増悪生存期間に影響するか検討した.【対象と方法】切除不能,局所治療適応外でChild-Pugh Aまたは7点Bの肝細胞癌患者を対象とし2010年6月よりprospectiveに検討した.ソラフェニブは体重50kg未満400mg/日,50kg以上600,800mg/日より開始し副作用に応じ増減,休薬,中止した.投与前,投与後1,3,7,14,28日目にAFP,PIVKA-2,VEGFを測定,投与前,投与後3,7,14,28日目にGE社LOGIQ 7を用い,ソナゾイド0.075ml/kgをbolus shotしraw dataよりtime intensity curveを作成,腫瘍部におけるGmax(t=0の傾き)を計測して血流評価を行った.また投与前,投与後28日目に造影CTを行いmRECISTで治療効果判定をした.【結果】症例は33例,1か月以上投与可能であった26例ではPR 3例,SD 20例で,SDの内15例には一部血流低下を認めた.AFP,PIVKA-2,VEGFはいずれも1ヶ月目の治療効果とは相関しなかった.腫瘍部のDay3のGmaxが低下していた18例は1ヶ月後のCTで血流低下を認め,血流変化のない症例とGmaxにおいて有意差を認めた(p<0.05).また投与3日後の腫瘍部のGmaxが低下した症例では有意に無増悪生存期間が良好であった(p<0.05).【結論】 ソラフェニブ投与3日後における腫瘍部のGmaxが治療効果判定に有用であり,Gmaxが低下すると無増悪生存期間が良好となると考えられた.
索引用語 ソラフェニブ, 造影エコー