セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)原発性肝癌-分子標的治療3 |
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タイトル | 肝P-240:StageIVa進行肝癌治療の標準化-Sorafenib,Low doseFPと比較したNew FP療法の有効性について- |
演者 | 田尻 博敬(国立九州がんセンター・消化器内科) |
共同演者 | 荒武 良総(国立九州がんセンター・消化器内科), 下川 雄三(国立九州がんセンター・消化器内科), 久野 晃聖(国立九州がんセンター・消化器内科), 杉本 理恵(国立九州がんセンター・消化器内科), 古川 正幸(国立九州がんセンター・消化器内科), 森田 祐輔(麻生飯塚病院・肝臓内科), 矢田 雅佳(麻生飯塚病院・肝臓内科), 千住 猛士(麻生飯塚病院・肝臓内科), 小柳 年正(麻生飯塚病院・肝臓内科), 本村 健太(麻生飯塚病院・肝臓内科), 増本 陽秀(麻生飯塚病院・肝臓内科) |
抄録 | 背景と目的:Sorafenibによる転移巣への有効性が報告される中,局所進行型の肝癌,いわゆる門脈腫瘍栓を有するStageIVa進行肝癌は依然として予後不良であり,またその治療の標準化には至っていない.今回我々は,門脈腫瘍栓を有するStageIVa肝癌のうち治療開始時にChild-Pugh Aであった65例を対象としてNew FP (NFP),Low dose FP (LFP),Sorafenibの3群での治療法の効果および安全性を検討したので報告する.方法:対象は1ヵ月以上治療を継続したStageIVaのうち,門脈腫瘍栓を有しかつChild-Pugh Aであった65例とした.NFPは動注ポートからアイエーコール50 mgとリピオドールの懸濁液を動注後に5-FU 300~400 mg/24hrを5日間持続注入した.LFPは動注ポートからCDDP 20 mg投与(day 1-4)後,5-FU 300~400 mg/24hrを5日間持続注入した.いずれの治療も2日間の休薬を入れて3~4週間繰り返し,さらに2~4週間休薬した後可能な限り継続した.Sorafenibは200~800 mgを連日投与した.NFPが35例,LFPが20例,Sorafenibが10例であった.効果判定は治療開始1~3ケ月時点での画像評価とした.結果:Overall survival time (OS)は,NFPがMST 678日 (1年生存 67%,2年生存 46%)であり,LFP のMST 181日,SorafenibのMST 280日に比べて有意に生存期間は良好であった (p=0.0018,0.0109).NFP35例においてCR 2例,PR 14例,SD 17例,PD 2例であり病勢制御率は94%であった.特にSDであってもMST 426日 (1年生存 50%,2年生存 26%)でありSD以上で十分な延命効果が伺えた.一方Sorafenib 10例ではSD 6例,PD 4例であり奏功は期待できないと考えられた.各治療におけるGrade4相当の有害事象は認めなかった.結論:肝機能良好なStageIVaにおいてNew FP療法の有効性が伺えた.今後の更なる症例の蓄積とともに是非前向き臨床試験の実現に期待したい. |
索引用語 | NewFP, StageIVa |