セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-分子標的治療3

タイトル 肝P-241:

Sorafenib Failureに対するIFN併用5FU動注療法の成績

演者 佐藤 新平(杏雲堂病院・消化器肝臓内科)
共同演者 河井 敏宏(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 八島 陽子(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 杉本 貴史(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 菅田 美保(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 小尾 俊太郎(杏雲堂病院・消化器肝臓内科)
抄録 【目的】 Sorafenib(SF)はStage IVのHCCに対する治療として今や第一選択の位置づけになろうとしている.しかしその奏効率は5%以内と極めて低率である. SF 導入後,病勢が進行した場合,2次治療として有用性を示した報告はない.今回SF failure(進行中止例,副作用中止例)に対して二次治療として,IFN/5FU動注の有効性を検討した.【方法】2008年から2012年の間にSF failureの診断の元,当院でIFN/5FU肝動注が施行された26例を対象とした. 男性19人,女性7人,年齢70歳(24-79),腫瘍径6.3cm(0-16),腫瘍個数10個(2-30),stage III7例,Iva9例, IVb10例(38%).VP陽性は17例(65%)であった. Child A21例,B5例.プロトコールは1コースは4週間,前半2週間はIFNと5FUの併用,後半2週間はIFNのみとした. 効果判定はコース毎に腫瘍マーカー,少なくとも2コースに1回は画像評価を行った. 治療効果はRECISTに準じた.【成績】治療効果はCR0,PR5(19%),SD14(54%),PD7(27%)例で奏効率は19%であった. 病勢制御率は73%であった. L3分画の有意な低下は認めなかったが,中央値でAFPが1547→ 810, DCP6689→4667と有意に低下した. AFP, DCPどちらかでも20%以上低下した症例は17例(66%)に認められた. AFPが低下した症例は有意に予後改善効果を認めた(P=0.03). しかし,DCPが低下した症例に関しては有意差は認めなかった. IFN/5FU開始後のMSTは5.4か月.初発からの全生存MSTは4.6年であった. 副作用脱落は1例もなかった.【結論】SF failureにおいて,66%の症例に腫瘍マーカーの低下が認められた.奏効率は19%とやや低値であったが,stage IVbが38%であったことを考慮すればMST5.4か月は従来のIFN/5FUの報告と遜色なく,2次治療としても有用であることが示唆された.
索引用語 肝細胞癌, 肝動注療法