セッション情報 |
ワークショップ10(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)
患者にやさしい大腸内視鏡検査の工夫
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タイトル |
内W10-5:患者にやさしい大腸内視鏡検査を目指して~患者心理からみた検討~
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演者 |
新美 惠子(東京大附属病院・光学医療診療部) |
共同演者 |
小野 敏嗣(東京大附属病院・検診部), 山崎 力(東京大附属病院・検診部) |
抄録 |
【目的】スクリーニング検査として大腸内視鏡検査の需要は高まっているが、上部内視鏡検査と比較し不快感や羞恥心を伴う検査である。技術的検査困難因子として、体型、手術歴などがあるが、不安や緊張といった心理面も大きく影響する。また、女性被験者は女性検査医を希望するという報告もある。患者にやさしい検査を行うために、技術的難易度と患者心理の関係を分析し、不安が大腸内視鏡検査に及ぼす影響を検討した。【方法】当院検診部において、2010年8月から2012年2月までに大腸内視鏡検査を施行し、同意の得られた96名(男/女62/34名、平均年齢58歳、平均BMI23.5、平均腹囲84.1cm)を対象とし、患者背景、内視鏡検査所見、不安尺度を前向きに解析した。不安尺度の評価には、新版STAI(実務教育出版、著者:越田野直ほか)を使用し、検査は主に男性内視鏡専門医2名が行った。【成績】女性は男性と比較し、やせ型(BMI18.5以下)や手術歴が多く、盲腸到達に時間を要した(P<0.05)。また、検査直前の不安が強く(STAI-State score高値)(P<0.05)、疼痛が強い傾向にあったが、希望検査医について差はなかった。一方、検査初回と2回目以降では不安感、疼痛に差は認めなかった。また、女性、若年、前回検査時の疼痛、同性希望被験者が高不安因子(P<0.001)であり、有意に疼痛を認めた(P<0.005)。【結論】女性は不安が強く、技術的にも心理的にも検査困難因子であり、また検査回数が不安感へ及ぼす影響は乏しいことが示唆された。今後はよりいっそう性差による不安を考慮し、大腸内視鏡検査を行うことが望ましいと思われる。 |
索引用語 |
大腸内視鏡検査, 患者心理 |