セッション情報 |
ポスターセッション(肝臓学会)
原発性肝癌-分子標的治療3
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タイトル |
肝P-243:~Sorafenib投与にて肝萎縮は進行するのか?~当院における投与例の検討
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演者 |
尾辻 健太郎(中濃厚生病院・消化器科) |
共同演者 |
本田 晴久(中濃厚生病院・消化器科), 小木曽 英介(中濃厚生病院・消化器科), 華井 頼子(中濃厚生病院・消化器科), 戸田 勝久(中濃厚生病院・消化器科), 山崎 健路(中濃厚生病院・消化器科), 勝村 直樹(中濃厚生病院・消化器科) |
抄録 |
昨年当院において,Sorafenib投与3ヵ月後に急激な肝萎縮を認め劇症肝炎となった症例を経験した.また,同時期に肝萎縮を認めるものの,全く肝予備能に変動を認めない症例も経験している.今回我々は,Sorafenib投与後の肝萎縮率萎縮と相関する因子の検討を行った.【対象】2009年9月~2013年2月の期間,当院にてSorafenibを投与した23例中,投与開始前,3ヵ月後の画像検査が行われている19例.性別(男/女)12/7,年齢75(60-84),背景肝(B/C/alchol/NBNC)2/15/1/1,Child-Pugh score(5/6)6/13,stage(2/3/4)9/7/3,投与期間174(20-826),一日投与量(400mg/800mg)16/3,【方法】投与前,三ヶ月後の冠状断CT画像の各スライスにおいて,主要な脈管を除いた肝面積を測定しスライス厚による積分法にて肝容積を算出した.投与前,3ヵ月後の肝容積を比較,及び投与期間90日未満,90日以上の症例における肝萎縮率を比較した.また萎縮率と投与3ヶ月後のT.Bil,ALB,PT%,PLT変化量,投与期間との相関を検定した.【結果】投与前肝容積1049(791.5-1761.7)ml,投与3ヵ月後肝容積912(665-1158.2)ml P<0.0001.投与90日未満(8例)肝萎縮率5.61(-6.5-12.3%),投与90日以上(11例)肝萎縮率21.783(14.6-38.1%).相関係数の検定結果は肝萎縮率vsT.Bil変化量 ρ=0.4010 p=0.0991,vsALB変化量ρ=0.2485 p=0.3202,vs PT%変化量ρ=0.1620 p=0.5489,vs Plt変化量ρ=-0.5501 p=0.018,vs 投与期間 ρ=0.0632 p=0.7973であった.【考察】投与3ヶ月後の肝容積は,投与前に比べ減少しており,Sorafenib投与により肝萎縮が進行しているものと思われる.Child-Pugh scoreの構成因子であるT.Bil,ALB,PT%と肝萎縮率との間には明らかな相関は認められないが,Pltとの間には有意な負の相関が認められており,肝繊維化が進行している可能性が示唆された.また,投与期間に準じ萎縮が進行するものと思われ,長期投与例においては十分な観察が必要であると思われた. |
索引用語 |
sorafenib, 肝細胞癌 |