セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)原発性肝癌-疫学 |
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タイトル | 肝P-245:80歳以上の高齢肝細胞癌患者の臨床的検討 |
演者 | 石井 俊哉(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科) |
共同演者 | 岡野 美紀(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 堤 俊之(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 足立 香代(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 根岸 龍二郎(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 岡本 賢(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 野元 雅仁(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 佐藤 明(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】本邦では肝細胞癌(HCC)患者の高齢化が進み,治療選択に悩むことがある.今回われわれは80歳以上の高齢HCC患者の臨床学的特徴を検討した.【対象と方法】2001年から2011年までに当院で診断されたHCC症例310例中80歳以上の33例を対象とし,その臨床学的特徴を検討した.【成績】80歳以上の高齢初発HCC患者はHCC全体の10.6%(33/310)認めた.平均年齢は82.7歳(80-91歳),性別は男性14例・女性19例,背景肝は慢性肝炎7例・肝硬変26例,成因はHCV25例(75.7%),HBV2例(6.1%),NBNC6例(18.2%)であった.肝機能はChild A5点21例,A6点7例,B7点4例,C10点1例,HCC stageはΙ:10例,ΙΙ:17例,ΙΙΙ:4例,Ι∨a:1例,Ι∨b:1例であった.BMIは平均21.8kg/m2で,BMI25kg/m2以上の症例は2例(6.1%)のみであり,DM合併例は6例(18.2%)であった.初回治療はTACE26例,RFA2例,PEIT1例,Best Supportive Care(BSC)4例であった.治療介入した29例の平均治療回数は3.3回(1-9回)で,その生存率は1年生存率87.0%,3年生存率66.6%,5年生存率26.4%で80歳未満と比較し有意差を認めなかった.転帰は生存10例,死亡13例(肝疾患死12例,肺炎1例),転院10例であった.【結論】80歳以上のHCC患者は女性例(57.6%),肝機能良好(Child A 84.8%)でHCC stageが低い(HCC stage Ι・ΙΙ 81.8%)症例を多く認めた.治療はOPEやRFAに比べ認容性の高い経カテーテル的治療を選択されることが多く(TACE 78.8%),年齢を考慮し比較的治療間隔をあけてTACEを繰り返す症例が多かった.併存疾患の増悪,認知症,骨折などにともない治療継続が困難な症例も認めるが,治療介入により生存率は80歳未満の症例と有意差を認めず,高齢者であっても治療介入により生命予後の延長を期待できることから可能であれば治療を検討する必要があると考えられた. |
索引用語 | 肝細胞癌, 高齢者 |