セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-疫学

タイトル 肝P-246:

B型肝癌発癌要因の年代別推移

演者 本村 健太(麻生飯塚病院・肝臓内科)
共同演者 森田 祐輔(麻生飯塚病院・肝臓内科), 千住 猛士(麻生飯塚病院・肝臓内科), 矢田 雅佳(麻生飯塚病院・肝臓内科), 小柳 年正(麻生飯塚病院・肝臓内科), 増本 陽秀(麻生飯塚病院・肝臓内科), 梶山 潔(麻生飯塚病院・外科)
抄録 【目的】本邦のB型肝癌は平均年齢50歳台で,HBVの活動性が高い患者に多いと報告されてきた.核酸アナログ製剤の普及など治療法が進歩する一方で,肥満や糖尿病の増加などにより発癌の様態が変化している可能性がある.過去20年間の当院肝癌患者のデータベースを基に発癌要因を検討したので報告する.【方法】1992-2012年の初発B型肝細胞癌患者286例(男性226例,女性60例)を対象とした.BMI,糖尿病,飲酒歴と,2001年以降の症例ではさらにHBV-DNA量,核酸アナログ服用の有無を調査し年齢別,年代別にこれらの差異を検討した.【成績】B型肝癌患者数は緩やかな増加傾向を示し,2007年以降で全肝癌中の約16%を占めた.平均年齢は1992-1994年53.2歳,2010-2012年62.4歳で近年上昇し,糖尿病有病率は6.9%から36.7%に上昇していた.2001年以降のHBV-DNA量の検討では, 3.7以上の症例の比率が2001-2003年65.9%に対し2010-2012年30.8%と低下した.また核酸アナログ製剤服用者の比率は,2001-2003年4.1%に対して2010-2012年40.0%と増加していた.核酸アナログ治療例を除いて検討すると,HBV-DNA>3.7症例での糖尿病有病率が20.7%,BMI>25の肥満者比率が25.0%であったのに対し,HBV-DNA≦3.7症例ではそれぞれ42.0%,48.0%と有意に高率であった.平均年齢は59.1歳と61.3歳で有意差がなかった.【結論】当院におけるB型肝癌の平均年齢はこの20年間で上昇した.また,発癌時のHBV-DNA量が少ない患者の比率が増加した.その理由として,核酸アナログ治療者が増えたことに加え,HBV-DNA量の少ない肝癌患者に糖尿病,肥満が多いこと,HBVの活動性が低下した年齢相で糖尿病有病率が上昇していることから,生活習慣関連病が肝発癌に影響していることが示唆された.
索引用語 B型肝癌, 発癌要因