セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-その他1

タイトル 肝P-252:

進行肝細胞癌に対する肝動注療法の治療成績~アイエーコールとミリプラチンの比較検討~

演者 林 秀樹(岐阜市民病院・消化器内科)
共同演者 西垣 洋一(岐阜市民病院・消化器内科), 冨田 栄一(岐阜市民病院・消化器内科), 鈴木 祐介(岐阜市民病院・消化器内科), 渡部 直樹(岐阜市民病院・消化器内科), 入谷 壮一(岐阜市民病院・消化器内科), 高木 結衣(岐阜市民病院・消化器内科), 加藤 潤一(岐阜市民病院・消化器内科), 黒部 拓也(岐阜市民病院・消化器内科), 中島 賢憲(岐阜市民病院・消化器内科), 小木曽 富生(岐阜市民病院・消化器内科), 川出 尚史(岐阜市民病院・消化器内科), 向井 強(岐阜市民病院・消化器内科), 杉山 昭彦(岐阜市民病院・消化器内科), 加藤 則廣(岐阜市民病院・消化器内科), 山田 鉄也(岐阜市民病院・中央検査部)
抄録 【目的】進行肝細胞癌に対する治療のひとつとして肝動注療法が広く行われているが,使用される抗癌剤の種類による治療効果の違いについては明確にされていない.今回,我々はアイエーコールとミリプラチンを用いた肝動注療法の治療成績について両者を比較検討した.【対象】2005年1月から2012年12月までにアイエーコール(I)あるいはミリプラチン(M)による肝動注療法を施行した進行肝細胞癌181例.そのうち背景因子をpropensity scoreを用いて一致させた患者群それぞれ45例についてその治療成績あるいは生存率について検討した.患者背景はI群/M群:年齢(中央値);73(58-87)歳/75(45-84),性別(男:女);31:14/33:12,背景肝(C:非C);32:13/33:12,Child-Pugh grade(A:B:C);24:18:3/20:24:1,最大腫瘍径;3.5(0.6-12.0)/2.2(0.8-18.3)(cm),腫瘍形態(多発結節型:塊状型:びまん型);24:10:11/27:11:7,腫瘍塞栓(VP1:VP2:VP3:VP4);0:1:3:7/0:5:2:3,臨床病期(II期:III期:IVa期);19:15:11/19:12:14(すべての因子について両群間に有意差なし).【方法】アイエーコールは最大60mg/m2,ミリプラチンは最大70mg/m2をリピオドールに懸濁して肝動脈より注入した.塞栓術も適宜併用した.【成績】治療後の最大治療効果はI群/M群:CR:PR:SD:PD;1:14:13:17/1:11:14:19(N.S.).無増悪期間は中央値でI群が183日,M群が91日で有意にI群の方が長かった(p=0.035).累積生存率は1年:49%/38%,2年:28%/19%で両群間に有意差は認めなかった.【結論】アイエーコールを用いた肝動注療法の方がミリプラチンを用いた方法より無増悪期間が長いことから,抗腫瘍効果が高いと考えられるものの生存への寄与については有意差を認めず,肝予備能等他の因子についても検討する必要があると考えられた.
索引用語 進行肝細胞癌, 抗癌剤