セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

自己免疫性肝疾患2

タイトル 肝P-258:

抗ミトコンドリア抗体陽性例からみた肝疾患の診断

演者 太田 和義(浜松医療センター・消化器内科)
共同演者 影山 富士人(浜松医療センター・消化器内科), 松永 英里香(浜松医療センター・消化器内科), 石田 夏樹(浜松医療センター・消化器内科), 下山 真(浜松医療センター・消化器内科), 松浦 愛(浜松医療センター・消化器内科), 森 泰希(浜松医療センター・消化器内科), 住吉 信一(浜松医療センター・消化器内科), 岩岡 泰志(浜松医療センター・消化器内科), 高井 哲成(浜松医療センター・消化器内科), 本城 裕美子(浜松医療センター・消化器内科), 吉井 重人(浜松医療センター・消化器内科), 山田 正美(浜松医療センター・消化器内科), 小林 良正(浜松医大附属病院・肝臓内科)
抄録 【目的】PBCは中高年女性に多く掻痒感や黄疸を伴い進行すると腹水や食道胃静脈瘤を合併する疾患である.PBCの診断では抗ミトコンドリア抗体(AMA)は特異的でその陽性率は90~95%でPBC以外の陽性率は低く特異度は98%を超えるとされる.AMA陽性例はPBCと診断されることが多いがPBCと診断されない症例も経験する.肝胆道系酵素異常を伴うAMAM2陽性例について検討した.【対象と方法】2003年から2012年に肝胆道系酵素異常を伴うAMAM2陽性例を対象とした.AMAM2はELISA法で測定し7以上(Index)を陽性とした.【結果】対象は201例(男/女:55/146)平均年齢59才.検査成績(平均)はAST146IU/l,ALT160IU/l,ALP644IU/l,gGTP254IU/l,Alb3.8g/dl,TC195mg/dl,TG130mg/dl,HbA1c5.5%,Ferritin472ng/ml,IgG1759mg/dl,IgM263mg/dl,Plt20.3×104/µl,PT81%.PBCと診断されたものは95例(男/女:12/83)(47.2%)で,AMAM2抗体価7以上10未満ではPBC6例,非PBC例53例,抗体価10以上ではPBC89例,非PBC54例であった.肝生検は46例に施行され病理学的にCNSDCあるいはPBCに矛盾しない所見は41例で認められた.他方でAMAM2陽性にもかかわらずPBCと診断されない106例の診断はAIH12例,ウイルス性肝炎12例(A/B/C:1/5/6),脂肪肝10例,アルコール性肝障害10例,伝染性単核球症9例,薬物性肝障害6例,悪性腫瘍5例,胆管炎5例などであった.肝生検でAIHと診断された12例(男/女:1/11)は10例がANA陽性であるもののAMAM2抗体価が平均56.3であった.【考察】PBCの診断には10以上のAMAM2抗体価を有することと病理組織評価が有用である.AMA陽性にはPBC以外の肝疾患も含まれ,肝生検が行われない場合でもAMA陽性のみでの診断は避けるべきである.さらにAMAM2が高力価陽性かつANA陰性であっても病理組織学的にAIHと診断されている症例も認められる.このため他疾患の除外診断も必要である.
索引用語 抗ミトコンドリア抗体, PBC