セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

B型肝炎-病態・診断3

タイトル 肝P-280:

リウマチ専門医における“免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン”の遵守状況

演者 四柳 宏(東京大大学院・生体防御感染症学)
共同演者 森屋 恭爾(東京大附属病院・感染制御部), 小池 和彦(東京大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】B型肝炎再活性化対策のガイドラインを徹底するためには肝臓専門医以外の医師に対する啓発活動が大切である.今回リウマチ専門医に対するアンケート調査を行い,ガイドラインの認知状況を調査した.【方法】東京都内の基幹病院でリウマチ診療にあたっている専門医(内科20名,整形外科21名)にアンケートを実施した.ガイドラインの認知/活用状況,免疫抑制療法を行う際のスクリーニング,専門医との連携,再活性化時の対応などに関し調査/集計を行った.【成績】(1)22名(54%)がガイドラインを遵守していた.一方4名(10%)はガイドラインを見たことがなかった.(2)28名(68%)が免疫抑制療法開始時にHBs抗原/HBs抗体/HBc抗体すべてのスクリーニングを行っていた.一方3名(7%)はHBs抗原しか測定していなかった.(3)10名(24%)がバイオ製剤・MTX製剤のいずれか一方でしかスクリーニングを行っていなかった.(4)抗体陽性の場合のスクリーニングは10名(24%)が自身で3ヶ月に1回行っていた.スクリーニングをしない者もいた.(5)抗原/抗体陰性の場合の対応に関しては免疫抑制療法開始後毎月HBV DNAを測定すると答えた医師から対応しないと答えた医師まで様々であった.(6)HBV DNA陽転化後の核酸アナログ製剤の投与は33名(80%)で肝臓専門医/消化器専門医により行われていたが,フォロー間隔は3ヶ月毎が12名(29%)で最も多かった.(7)HBV DNAの上昇確認後に免疫抑制療法をまず中止すると答えた医師が8名(20%)おり,特に整形外科領域に多かった.(8)投与中にAST/ALTの上昇が見られた場合,まずバイオ製剤・MTX製剤を中止すると5名(12%)が回答した【考案と結論】リウマチ専門医に対しては日本肝臓学会のガイドラインは周知されているものの,理解は不十分である.専門医のフォロー間隔から考え,確認漏れのない体制が重要である.ガイドラインで明示されていない項目の中にも専門医による判断を必要とするものがあり,今後の問題点と思われた.
索引用語 ガイドライン, リウマチ