セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

B型肝炎-治療4

タイトル 肝P-294:

胃癌の術後,TS-1投与中に慢性化したGenotype Cの急性B型肝炎の一例

演者 田村 知大(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科)
共同演者 長瀬 良彦(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 北川 紗里香(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 路川 陽介(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 平石 哲也(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 公文 大輔(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 黄 世揚(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 福田 安伸(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 馬場 哲(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 松永 光太郎(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 松本 伸行(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 奥瀬 千晃(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 四柳 宏(東京大・感染症内科), 鈴木 通博(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科DELIMITER聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科)
抄録 【症 例】62歳,男性【既往歴】特記なし【家族歴】肝疾患なし【現病歴】平成2008年1月,胃癌(0-IIc+IIb,Stage IIIa,sig and por2)にて,胃全摘,R-Y再建術を施行.術後,TS-1を中心とした術後化学療法を行った.術前検査では,HBsAg陰性,HCV-Ab陰性,TPHA陰性,HIV-Ab陰性で,術前後に輸血の施行はなし.2009年4月,GSをする際に感染症検査を行いHBsAgが陽性化していたため当科紹介となった.【初診時検査所見】WBC 5500 /μl,Hb 11.0 g/dl,PLT 24.6万,AST 27 IU/l,ALT 22 IU/l,HBsAg陽性,HBeAg陽性,HBcAb陰性,HBV-DNA ≧9.0LC/ml,HBV-Genotype C【経過】HBsAgが陽性であったが,HBcAbは陰性であったため,急性感染と判断.2009年8月でTS-1を中止し,経過観察したところ,2ヵ月後の10月に肝炎を発症.この時点のHBV-DNAは9.0LC/mlを超えていたが,ALTのピークは174 IU/lにとどまり,その後速やかに正常化した.しかし,HBV-DNAは低下を認めず,肝炎発症から8ヶ月後よりエンテカビル(ETV)0.5mgの投与を開始した.その後2年4か月の経過でHBV-DNAは3~5LC/mlで変動し,著明な低下が得られなかったため2012年1月よりETVを1.0mgに増量した.肝炎発症から3年4ヶ月経過した現在もHBV-DNAは消失せず,ALTの軽度上昇を認め,慢性B型肝炎として経過観察中である.【考案・結語】本例は胃癌に対し胃全摘後,術後化学療法を導入.化学療法中にHBs抗原の陽性が判明し,化学療法終了後に肝炎が発症した.Genotype C の急性肝炎が慢性化することは稀であることから,HBVの感染初期に導入された化学療法が慢性化の原因となった可能性がある.更にアナログ製剤の効果が不十分であることも興味深いと考えられ報告する.
索引用語 急性B型肝炎慢性化, 化学療法