セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-基礎3

タイトル 肝P-297:

アディポカインおよびアポトーシス抑制因子AIMとC型慢性肝炎の病態との関連の検討

演者 馬渡 誠一(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 宇都 浩文(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 米良 久美子(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 小田 耕平(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 椨 一晃(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 大野 香織(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 大重 彰彦(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 今中 大(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 熊谷 公太郎(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 玉井 努(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 眞(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【背景】肥満やインスリン抵抗性にアディポカインやアポトーシス抑制因子(apoptosis inhibitor of macrophage; AIM)が関連することが報告されている.また,C型慢性肝炎の病態に肥満やインスリン抵抗性が関連する.しかし,これらのサイトカインとC型慢性肝炎の病態との関連は十分明らかになっていない.今回は,これらの血清中濃度とC型慢性肝炎の病態との関連を検討した.
【方法】肝生検を施行したC型慢性肝炎77例を対象とした.血清中のLeptin,Adiponectin,ResistinおよびAIM濃度をELISA法で測定した.また,明らかな糖尿病の無い症例で75g OGTTを施行した38例を対象にインスリン抵抗性(HOMA-IR)および感受性(Matsuda index)とサイトカインとの関連を検討した.
【結果】多変量解析では血清AIM値は肝線維化と有意に関連し,血清AIM値は肝線維化進行(F2-3)群で有意に高値で,Leptin,Adiponectin,Resistinは肝線維化と関連しなかった.また,血清AIM値は肝炎の活動性が高い(A2-3)群の方が低い(A0-1)群と比較して有意に高値であったが,多変量解析では有意な因子では無く,Leptin,Adiponectin,Resistinは肝炎の活動性と関連しなかった.一方,脂肪肝の明らかな群では脂肪肝を認めない群よりLeptinは有意に高値,Adiponectinは有意に低値で,多変量解析ではAdiponectinが有意な因子であった.ResistinとAIMは脂肪肝の存在と関連しなかった.さらに,Leptin,Adiponectin,Resistinはインスリン抵抗性および感受性と有意に相関したが,AIMは相関しなかった.
【まとめ】メタボリックシンドロームと関連することが報告されているアディポカインやAIMとC型慢性肝炎の病態との関連はそれぞれ異なり,AIMは肝線維化と密接に関連し,アディポカインは肝脂肪化やインスリン抵抗性と関連する可能性が高いと考えられた.
索引用語 AIM, C型慢性肝炎