セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療15

タイトル 肝P-302:

シメプレビル(TMC435)の日本人C型慢性肝炎患者における推奨用量の検討

演者 石堂 美和子(ヤンセンファーマ(株)・SA本部)
共同演者 瀬戸 千春(ヤンセンファーマ(株)・研究開発本部), 後藤 章一郎(ヤンセンファーマ(株)・研究開発本部)
抄録 【目的】シメプレビルは,C型肝炎ウイルス(HCV)に対する第2世代NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬である.海外初期臨床試験では,外国人HCV患者に本剤150 mgを1日1回反復投与した時のCminと,in vitroにおけるレプリコン細胞に対するEC90値にはおよそ2オーダー(x100)の開きがあり,十分な抗ウイルス作用の発揮が推察されたため,海外ではPegIFN/RBVとの併用による本剤の臨床用量域を75~150 mg 1日1回と設定して用量探索試験を実施した.日本人健康成人にシメプレビルを1日1回反復投与したとき,外国人健康成人(主として白人)と比較して血漿中シメプレビル濃度は高く推移した.本剤の薬物動態に関して人種差が存在することが示唆されたため,日本人におけるシメプレビルの推奨臨床用量を検討した.
【方法】外国人患者での上記用量域と同程度のAUC24hが得られると推察された50~100 mg 1日1回を検討用量域として,国内第II相試験を実施した.国内及び海外試験で得られた薬物動態,有効性及び安全性に関する結果から,シメプレビルの臨床推奨用量を検討した.
【成績】HCV患者を対象とし,PegIFN/RBVと併用して本剤を50又は100 mg 1日1回反復投与した国内第II相試験では,シメプレビル群で高いSVR24率が得られ,用量とSVR率に明らかな相関関係は認められず,100 mg投与においても忍容性が良好であった.75又は150 mg 1日1回反復投与を行った海外後期第II相試験と比べても,有効性及び安全性に明らかな違いは無かった.また,日本人患者に100 mgを反復投与したときのCmax及びAUC24hは,外国人患者における150 mg反復投与時と同様であった.シメプレビル100 mg 1日1回とした国内第III相試験では,国内外第II相試験と同様の薬物動態と,高い有効性及び忍容性が示されている.
【結論】シメプレビルの臨床適用に際し,国内及び海外試験から得られた薬物動態に基づき,日本人HCV患者に対する臨床推奨用量を検討した結果,100 mg 1日1回の用量を推奨する.
索引用語 シメプレビル, 用量