セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療15

タイトル 肝P-303:

Simeprevir(TMC435)を用いた3剤併用療法を行ったGenotype 1型C型慢性肝炎症例の検討

演者 萩原 秀紀(関西労災病院・消化器内科)
共同演者 糸瀬 一陽(関西労災病院・消化器内科), 望月 圭(関西労災病院・消化器内科), 土居 哲(関西労災病院・消化器内科), 吉水 祥一(関西労災病院・消化器内科), 嶋吉 章紀(関西労災病院・消化器内科), 阿部 佳奈子(関西労災病院・消化器内科), 板倉 史晃(関西労災病院・消化器内科), 小豆澤 秀人(関西労災病院・消化器内科), 戸田 万生良(関西労災病院・消化器内科), 中村 剛之(関西労災病院・消化器内科), 柄川 悟志(関西労災病院・消化器内科), 牧野 仁(関西労災病院・消化器内科), 伊藤 善基(関西労災病院・消化器内科), 林 紀夫(関西労災病院・消化器内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎にSimeprevir/ペグインターフェロン(PEG-IFN)α/リバビリン(RBV)の3剤併用療法を行った症例の抗ウイルス効果を検討した.【方法】対象はGenotype 1型C型慢性肝炎12例(初回治療3例,前治療再燃3例,前治療null response 6例)で,年齢は52-67歳(平均59.1歳),男性5例,女性7例,投与したPEG-IFNはα2a 8例,α2b 4例で,治療開始時からSimeprevir 100mgを1日1回12週または24週間併用投与し,HCV RNA量の変化を調べた.【成績】HCV RNAは治療開始前4.5~6.8logIU/mLから1週目には-3.6~-4.9logIU/mLの減少を認め,1週目1例,2週目2例,3週目2例,4週目2例で検出せずとなり,8週以内に11例で陰性化を認めた.IL28B SNP(rs8099917)がTTであった5例中では2週目2例,3週目2例,4週目1例で,TGまたはGGであった7例中では1週目1例,3週目1例,4週目1例,6週目1例,8週目2例で陰性化を認めた.初回治療群および前治療再燃群はすべて4週以内に陰性化を認め,Simeprevirを12週併用したPEG-IFN/RBV24週治療でSVRとなった.前治療null response群6例においては,Simeprevirを12週併用した1例と24週併用した2例はPEG-IFN/RBV24週治療でSVRとなったが,残り3例中,1例は6週目で陰性化後,貧血が有心疾患既往例の中止基準に該当して10週目で治療中止となり再燃,1例は8週目で陰性化したがSimeprevirを12週で終了後の24週目の時点でbreakthroughを認め治療中止,1例はIL28BがTG,コア領域70番アミノ酸 mutant,ISDRアミノ酸変異0の症例で,6.3logIU/mLから8週目で1.2log未満に低下は認めたが,12週でも陰性化は認めないまま腎盂腎炎合併により13週目で治療中止となった.【結論】Simeprevir併用投与でHCV RNAは速やかに低下・陰性化し,前治療のnull responderにおいても高率にウイルス陰性化が認められ,高い治療効果が期待できる.
索引用語 C型慢性肝炎, 抗ウイルス療法