セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療17

タイトル 肝P-307:

C型慢性肝疾患に対するIFN治療におけるARFI(acoustic radiation force impulse)の有用性

演者 山田 涼子(大阪大大学院・消化器内科学)
共同演者 平松 直樹(大阪大大学院・消化器内科学), 森下 直紀(大阪大大学院・消化器内科学), 原田 直毅(大阪大大学院・消化器内科学), 小瀬 嗣子(大阪大大学院・消化器内科学), 宮崎 昌典(大阪大大学院・消化器内科学), 藥師神 崇行(大阪大大学院・消化器内科学), 宮城 琢也(大阪大大学院・消化器内科学), 吉田 雄一(大阪大大学院・消化器内科学), 巽 智秀(大阪大大学院・消化器内科学), 笠原 彰紀(大阪大大学院・消化器内科学), 林 紀夫(関西労災病院), 竹原 徹郎(大阪大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】C型慢性肝疾患におけるARFIによる肝線維化診断能ならびにIFN治療後のARFIによるVs値の変化について検討した.【方法】2009年8月から2013年3月に当院に入院し肝生検とARFIを施行したC型慢性肝疾患172例(年齢:56.8±12.3歳,BMI:22.7±3.2kg/m2,血小板数:16.5±5.9×104/μl,ALT:65.2±109.6IU/L,A1/A2/A3=158/13/1例,F1/F2/F3/F4=113/21/21/17例)を対象とした.172例のうち105例(genotype1/2=79/26例)でIFN治療(PegIFN単独6例,PegIFN/RBV 60例,PegIFN/RBV/DAAs39例)が施行された.【成績】F因子とVs値には有意な相関を認め(Pearsonの相関係数=0.762,p<0.001),各stage間でVs値に有意差を認めた.また,Vs値は血小板数(-0.520,p<0.001),年齢(0.203,p=0.008),AST(0.186,p=0.015)と相関を認めた.IFNを施行した1型症例のうち,PegIFN±RBVを施行した45例では,治療開始時のVs値はSVR例で低値であったが(1.22±0.26 vs. 1.80±0.67 m/sec,p=0.001),DAAsを加えた3剤治療を施行した34例では治療開始時のVs値に差を認めなかった(1.23±0.31 vs. 1.23±0.18 m/sec,p=0.976).また,IFN治療終了後1年まで経時的にVTTQを施行しえた40例の検討では,SVR(32例)のVs値は治療開始時1.25±0.35 m/sec,治療終了時1.23±0.28 m/sec,治療終了後24週1.16±0.28 m/sec,1年1.12±0.27 m/secと治療後に有意な低下を認めたが,非SVR例では,順に1.37±0.50 m/sec,1.30±0.49 m/sec,1.32±0.43 m/sec,1.28±0.44 m/secと,治療終了後の低下は認めなかった.【結論】C型慢性肝炎において,ARFIのVs値は肝線維化の程度を反映していた.1型症例ではIFN治療開始時のVs値は治療効果に関連したが,3剤治療ではVs値と治療効果に関連を認めなかった.また,SVR例ではIFN治療終了後の肝線維化改善効果が示唆された.
索引用語 C型慢性肝炎, ARFI