セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療17

タイトル 肝P-308:

C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療による肝硬度の変化-ARFIによる検討―

演者 川部 直人(藤田保健衛生大・肝胆膵内科)
共同演者 橋本 千樹(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 原田 雅生(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 村尾 道人(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 新田 佳史(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 中野 卓二(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 嶋崎 宏明(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 水野 裕子(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 菅 敏樹(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 中岡 和徳(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 大城 昌史(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 高川 友花(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 西川 徹(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 刑部 恵介(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 市野 直浩(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 吉岡 健太郎(藤田保健衛生大・肝胆膵内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)治療による肝線維化stage改善の非侵襲的評価として,transient elastographyによる肝硬度の低下が報告されている.一方Acoustic Radiation Force Impulse (ARFI)によるせん断波の伝播速度(Velocity of shear wave; Vs)測定による肝硬度も肝線維化の評価に有用であると報告されている.本研究ではC型慢性肝炎に対するIFN治療による肝硬度の変化についてARFIを用いて検討した.【方法】C型慢性肝疾患765例(男性372例,女性393例,60.8±13.1歳)につきACUSON S-2000 (Siemens)を用いてVs(m/s)測定を行った.治療前後で経時的Vs評価が可能な75例 (男性35例,女性40例,57.1±12.0歳,1型52例,2型23例)につきその変化を検討した.【成績】治療前に肝生検を行った49例のVsとstageの関係について,F2以上の診断能のAUROC 0.891,Cut-off値1.23,F3以上のAUROC 0.904,Cut-off値1.46,F4のAUROC 0.957,Cut-off値1.93 m/sであった.治療前Vsは,SVR群(36例)1.24(1.02~1.43),Relapser群(17例)1.36(1.20~1.63),NVR群(22例)1.63(1.21~1.96)であり,SVR群はNVR群に比べ有意に低値を示した(P=0.0101).治療経過におけるVsは,SVR群では治療前1.24(1.02~1.43),治療直後1.16(1.07~1.34),治療後1年1.06(0.94~1.12)で,各々の間に有意差を認めた(P<0.05).Relapser群は各々1.36(1.20~1.63),1.28(1.15~1.55),1.20(1.09~1.80),NVR群は1.63(1.21~1.96),1.54(1.25~1.89),1.64(1.16~1.81)で,両群いずれの間でも有意差を認めなかった.【結論】ARFIによる肝硬度測定は肝線維化診断能が優れており,治療による肝線維化改善の評価に有用であることが示された.IFN治療による肝硬度の変化を評価することは治療効果予測や効果判定についても有用であると考えられた.
索引用語 C型慢性肝炎, ARFI