セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)C型肝炎-治療18 |
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タイトル | 肝P-311:C型代償性肝硬変に対するPEG-IFNα2a/Ribavirin併用療法後の長期経過観察による非代償期への移行及び肝発癌の検討(中間報告) |
演者 | 小池 和彦(適正使用検討委員会DELIMITER東京大大学院・消化器内科学) |
共同演者 | 泉 並木(適正使用検討委員会DELIMITER武蔵野赤十字病院・消化器科), 金子 周一(適正使用検討委員会DELIMITER金沢大大学院・消化器内科学), 野村 誠(中外製薬(株)) |
抄録 | 【目的】C型代償性肝硬変に対するPEG-IFNα2a/Ribavirin(RBV)併用療法による治療終了後の非代償期への移行及び肝癌の発現状況を検討した. 【方法】本併用療法を行ったC型代償性肝硬変患者149例のうち,協力が得られた145例を対象に非代償期への移行,肝発癌について調査した. 【成績】145例中,123例の中間結果が得られた.非代償期移行は118例(不明5例除く)中5例で,観察期間の中央値(最小値-最大値)は4.14年(0.18-5.62)であった.非代償期移行の年率は,全体では1.09%であり,ウイルス学的効果別(SVR:投与終了後24週時のHCV-RNA陰性化,VR:再燃,NR:HCV-RNA陰性化せず)では,それぞれ0.80%,0%,2.68%であった.累積非代償期移行率は,全体では5年時で5.45%であり,ウイルス学的効果別(SVR,VR,NR)では,それぞれ5年時で4.00%,0%,13.18%であり,SVR群・VR群は,NR群に比し低かった. 肝発癌は123例中31例で,観察期間の中央値(最小値-最大値)は3.66年(0.32-5.62)であった.肝発癌の年率は,全体では7.58%であり,ウイルス学的効果別(SVR,VR,NR)では,それぞれ5.29%,8.55%,8.36%であった.累積肝発癌率は,全体では5年時で32.10%であり,ウイルス学的効果別(SVR,VR,NR)では,それぞれ5年時で29.72%,34.91%,30.86%であった.また,肝発癌に寄与する因子を検討するため,Cox回帰を行った.粗ハザード比>2.5の因子は,年齢(≧60歳),肝癌既往歴有,アルブミン低値(g/dL)であった. 【結論】中間結果において,肝発癌と肝不全のリスクが高いC型代償性肝硬変患者に対するPEG-IFNα2a/RBV併用療法により,投与中にウイルスが陰性化する群では非代償期への移行率が低い傾向が見られた. |
索引用語 | C型代償性肝硬変, IFN |