セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療19

タイトル 肝P-318:

75才以上でインターフェロン療法を開始(週換算1%未満の少量長期投与も含む)した29例の経験

演者 川西 輝明(札幌緑愛病院・肝臓センター)
共同演者 高柳 俊明(札幌緑愛病院・肝臓センター), 羽二生 輝樹(札幌緑愛病院・肝臓センター), 美馬 聰昭(札幌緑愛病院・肝臓センター)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)療法が75才まで検討されるようになってきたが, 75才以上の症例への投与に対する適応や効果は慎重に検討することが求められている.今回,我々はIFN少量長期投与を中心とした75才以上の症例の治療成績を集計し,今後の高齢者の治療適応についての参考にすべく報告する.
【方法】対象は2003年4月から2011年7月までの間に当院にてIFN療法を開始した265例のうちIFN療法を希望するも副作用や合併症からその開始を断念してきた75才以上のC型慢性肝炎29症例.
IFNは26例はPegIFNα2aを用い,症例毎に副作用に対する忍容性を確認しながら,投与量は9,18,30,45,60,90,135,180μgで調整し,投与間隔の延長も行った.それまでの経験から副作用を出現させないことを優先として患者さんが安心感をもてる量を優先としたことで減少してきた結果,PegIFNα2aの投与法は9-90μgを月1から2回で行った.他のIFNとしてはロフェロン300万単位週2回,フェロン300万単位週1回,ペグイントロン50μg週1回であった.
投与期間は陰性化が得られた症例については陰性化の期間を18ヶ月.陽性の場合は本人が継続したいという意思が有れば副作用が日常生活に支障とならない限り継続とした.
【成績】29例の患者背景はgenotype1(G1)が22例, ,genotype2(G2)が7例(2a:6,2b:1)であった.開始時のウイルス量は100KIU/ml以上(高ウイルス量;HVL)が25例, 100KIU/ml未満(低ウイルス量;LVL)が5例であった.
SVRが7例(LVL:5,G1HVL:1,G2HVL:1)で得られ,8例は投与継続中である.有害事象による中止は8例(倦怠感増悪:5,頭痛:1,肺癌:1,喘息:1)に認められた.また患者都合による休薬が4例,効果不十分による中止が2例であった.
【結論】75才以上でのIFN療法は,患者本人が安心して頑張れる量を模索しつつ最小限の副作用と最大限の効果を引き出せることを優先して行った結果,LVL症例を中心に低用量に治療にも拘らず有効性が確認された.
索引用語 インターフェロン療法, 少量長期投与