セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)C型肝炎-治療19 |
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タイトル | 肝P-319:C型慢性肝炎SVR後に発症したHCCの臨床的特徴に関する検討 |
演者 | 加藤 穣(大阪厚生年金病院・内科) |
共同演者 | 加藤 幹那(大阪厚生年金病院・内科), 日比野 千尋(大阪厚生年金病院・内科), 塩出 悠登(大阪厚生年金病院・内科), 村井 一裕(大阪厚生年金病院・内科), 松村 有記(大阪厚生年金病院・内科), 北 久晃(大阪厚生年金病院・内科), 中田 悠紀(大阪厚生年金病院・内科), 千葉 三保(大阪厚生年金病院・内科), 前田 晃作(大阪厚生年金病院・内科), 内藤 雅文(大阪厚生年金病院・内科), 道田 知樹(大阪厚生年金病院・内科), 伊藤 敏文(大阪厚生年金病院・内科) |
抄録 | 【目的】近年C型慢性肝炎のSVR例でHCCを発症する症例の報告が増えており,SVR後も発癌を念頭においた経過観察が必要とされる.SVR後発癌のリスク因子についての報告も散見され,重要な課題である.そこで今回当科で経験したSVR後HCCの臨床的特徴について検討した.【方法】SVR後発症のHCC10例の臨床的特徴を解析した.【成績】IFN開始時の平均年齢は61.5歳(51~72歳),HCC発症時の平均年齢は67歳(56~76歳)で,男性9例,女性1例であった.IFN開始時のF因子は,F4:1例,F3:2例,F2:3例,F1:1例,不明:3例であった.IFN終了時からHCC診断までの中央値は60.5ヶ月(4~99ヶ月),平均最大腫瘍径は30.8mm(10~85mm)であった.単発7例,多発2例,リンパ節転移合併1例であった.発癌時,全例でChild-Pugh分類はA,各検査値の平均値(最小値~最大値)はAST 42.3IU/L(17~117IU/L),ALT 32.8IU/L(18~71IU/L),血小板 20.9万/mm3(9.6~43万/mm3)であった.6例に糖尿病合併を認めた.腫瘍マーカーの中央値はAFPが7.05ng/ml(2.3~4470 ng/ml),PIVKA2が29.5mAU/ml(21~20500 mAU/ml)であった.HCC診断前に外来定期受診していた者は8例,非受診者は2例であった.前者8例には根治的治療(RFA,肝切除)が施行され,その内4例(RFA後1例,肝切除後3例)に再発を認めているが2013年3月現在で全例生存しており,最長例は発癌後174ヶ月間生存している.後者2例は多発例とリンパ節転移合併例で,経血管的治療が施行され1例は生存しているがリンパ節転移合併例は発癌後6か月で癌死した.【結論】従来の報告通り当院でも高齢男性にSVR後発癌が多かった.しかしF1・F2程度の線維化非進行例からも4例の発癌を認めた.外来定期受診者には全例に根治的治療が施行でき,予後も良好であった.HCC診断時に腫瘍マーカーの上昇しない例も多く画像検査を含めた定期的フォローアップが重要と考えられた. |
索引用語 | SVR, 発癌 |