セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

NAFLD・NASH6

タイトル 肝P-324:

Apoptosis Inhibitor of Macrophageと非アルコール性脂肪性肝疾患の病態との関連の検討

演者 小田 耕平(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 宇都 浩文(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 角田 圭雄(市立奈良病院・消化器肝臓病センターDELIMITER京都府立医大大学院・消化器内科学), 馬渡 誠一(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 椨 一晃(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 大野 香織(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 大重 彰彦(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 今中 大(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 熊谷 公太郎(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 玉井 努(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 眞(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【目的】Apoptosis Inhibitor of Macrophage(AIM)はマクロファージから産生される蛋白で,CD36を介して,脂肪酸合成酵素の機能を抑制することにより脂肪細胞の脂肪滴を融解することが報告されている.また,AIMはインスリン抵抗性と関連することが報告され,メタボリックシンドロームの病態に深くかかわっていると考えられる.しかし,非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)におけるAIMの役割については十分解明されていない.今回我々は,単純性脂肪肝(SS)および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)例における血清AIM値を測定し,病態との関連を検討した.
【方法】肝生検でSSもしくはNASHと診断した85例(SS 17例,NASH 68例)を対象とした.
【成績】SS群は女性 5例(29%),年齢中央値 51歳,NASH群は女性 46例(68%),年齢中央値 65歳であった.NASH群ではSS群に比してAST値が有意に高く(以下NASH vs SS:AST 53 [IU/L] vs 37,p=0.03),血小板数はNASH群で有意に低値で(19.7万 vs 24.7万,p<0.01),血清ヒアルロン酸値(59 [ng/mL] vs 18,p<0.001)とIV型コラーゲン値(5.1 [ng/mL] vs 3.6,p<0.001)は有意に高値であった.血清AIM値はNASH群で有意に高値であり(1103 [ng/mL] vs 811,p=0.03),肝線維化マーカー(血小板,ヒアルロン酸,IV型コラーゲン)と有意に相関した.一方,血清AIM値は肝組織の脂肪化の程度とは負の相関を呈し,肝組織脂肪化が高度の症例ほど血清AIM値は有意に低値であった.
【結語】血清AIM値は肝線維化進展例では高値であり,肝組織脂肪化高度例では低値であったことから,AIMはNAFLDにおける肝線維化や肝脂肪化に関与する可能性が示唆された.
索引用語 AIM, NAFLD