セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝循環・門脈圧亢進症3 |
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タイトル | 肝P-330:シャント脳症に対するIVRの有用性 |
演者 | 佐藤 光明(山梨大・1内科) |
共同演者 | 加藤 亮(山梨大・1内科), 倉富 夏彦(山梨大・1内科), 小松 信俊(山梨大・1内科), 辰巳 明久(山梨大・1内科), 進藤 邦明(山梨大・1内科), 中山 康弘(山梨大・1内科), 井上 泰輔(山梨大・1内科), 坂本 穣(山梨大・1内科), 前川 伸哉(山梨大・1内科), 岡田 大樹(山梨大・放射線医学), 荒木 拓次(山梨大・放射線医学), 荒木 力(山梨大・放射線医学), 榎本 信幸(山梨大・1内科) |
抄録 | 【目的】近年内科的治療で難治性のシャント由来の肝性脳症に対してIVRが有効であるとの報告が散見される.肝内シャント由来の肝性脳症に対しIVRを行った報告は少ない.当科でシャント脳症に対しIVRを行った症例についてその有用性を検討する.【対象】2007年から2013年までに当科でIVRでシャント閉塞術を行ったシャント由来の肝性脳症の6例(男性4例,女性2例).平均年齢66.9歳,観察期間中央値26.5ヶ月,肝外シャント4例,肝内シャント2例(PVシャント1例,APシャント1例).肝外シャント4例中3例が肝硬変で,背景肝はHCV/HBV/アルコール:2/1/1例であった.肝内シャント2例は非肝硬変でいずれも非B非Cであった.HCC合併は2例,F2,RC+以上の内視鏡的治療を要したのは2例であった.治療前Child Pugh は全例Bであった.昏睡度は1/2/3/4:1/4/1/0例であった.2年以上経過を終えた4例中3例が治療後肝機能の改善が持続した.【結果】全例治療後早期にアンモニアが低下した.継続的に改善がみられたのは4例で,2例は再上昇し,いずれも肝硬変症例であった.6例中1例は治療部位以外の残存するシャントのため3回の閉塞術を行った.PT活性は全例で改善が見られ,比較的短期に改善した.アミノ酸製剤の投与を中止できたのは2例,減量できたのは1例であった.合併症は2例で一過性の腹水増加が見られた.【結語】肝外および肝内シャント由来の肝性脳症は,病態に応じてシャント閉塞術が有効である.肝硬変症例では他のシャントの発達し肝性脳症が再発する可能性があるが,長期有効例も見られる.肝硬変を伴わない肝内シャントによる肝性脳症はIVRにより肝機能の改善と長期予後が期待でき,考慮すべき治療法と考えられる. |
索引用語 | 肝性脳症, シャント |