セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝循環・門脈圧亢進症3 |
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タイトル | 肝P-332:B-RTOによる肝予備能への影響 |
演者 | 伊藤 潔(日本大・消化器肝臓内科) |
共同演者 | 水谷 卓(日本大・消化器肝臓内科), 宮澤 祥一(日本大・消化器肝臓内科), 大平 俊一郎(日本大・消化器肝臓内科), 阿部 真久(日本大・消化器肝臓内科), 松本 直樹(日本大・消化器肝臓内科), 田村 彰教(日本大・消化器肝臓内科), 中村 仁美(日本大・消化器肝臓内科), 松岡 俊一(日本大・消化器肝臓内科), 森山 光彦(日本大・消化器肝臓内科) |
抄録 | 【目的】バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)が成功した症例では肝予備能が改善するという報告がある.今回B-RTO成功例の各種パラメーターを追跡し治療前後で比較検討した.【対象と方法】2008年5月から2012年9月までに施行したB-RTO は41例,その成功例のうち1年半追跡し得た30例について検討した.男性19例,女性11例で治療前のChild-Pugh分類はA24例,B6例.治療前のFormはF2が3例,F3が27例.追跡したパラメーターは白血球,ヘモグロビン,血小板,プロトロンビン(%),アルブミン,総ビリルビン,コリンエステラーゼ,BTR,アンモニア,Child Pugh 分類の10項目で,治療前,治療後(3か月,6か月,12か月,15か月)で有意差検定を行った.更に治療前Child-Pugh分類をAとBの2群,静脈瘤形態をF2とF3の2群に分けて有意差検定した.【成績】各パラメーター10項目いずれも治療前後での有意差は認められなかった.また治療前のChild-Pugh分類を2群に分けた検討では,アンモニア以外で有意差は認められなかった.同様に治療前の静脈瘤形態を2群に分けた検討では,コリンエステラーゼ以外で有意差は認められなかった.Child Pugh 分類B の6例中,15か月後再検討でAに改善したのは1例のみであった.【考察】B-RTO施行後早期で肝予備能が改善するという報告が散見されるが,今回我々の施設の検討では治療後早期・晩期とも有意差を以て改善したものはなかった.今回の検討には肝細胞癌合併例が10例含まれており,うち6例が治療されていることから結果が修飾されている可能性があるため,非合併例に分けて各血液パラメーターを検討する必要があると考えられた.【結語】B-RTO施行後ごく早期には一時的な血液データー改善が認められるとしても,長期的改善に期待はもてないという結論を得た. |
索引用語 | 門脈圧亢進症, BRTO |