セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝循環・門脈圧亢進症3

タイトル 肝P-333:

B-RTO(Balloon occluded Retrograde Transvenous Obliterarion)の消化管静脈瘤,肝性脳症への治療効果および肝機能への影響の検討

演者 先田 信哉(横浜市立みなと赤十字病院・肝胆膵内科)
共同演者 金城 美幸(横浜市立みなと赤十字病院・消化器内科), 高浦 健太(横浜市立みなと赤十字病院・消化器内科), 浅川 武人(横浜市立みなと赤十字病院・消化器内科), 西尾 匡史(横浜市立みなと赤十字病院・消化器内科), 小橋 健一郎(横浜市立みなと赤十字病院・消化器内科), 勝倉 暢洋(横浜市立みなと赤十字病院・消化器内科), 橋口 真子(横浜市立みなと赤十字病院・消化器内科), 河村 貴広(横浜市立みなと赤十字病院・消化器内科), 有村 明彦(横浜市立みなと赤十字病院・消化器内科), 渡辺 守(東京医歯大・消化器病態学)
抄録 【目的】B-RTOは孤発性胃静脈瘤や異所性静脈瘤などの消化管静脈瘤やシャント脳症の治療に有効とされている.また有効肝血流の増加により肝機能の改善効果も報告されているがいまだcontroversialである.そこで当科で2009/8より2013/3までに施行したB-RTO13例のうち手技的に成功した11例をretrospectiveに検討し,静脈瘤や脳症への効果,施行前後での肝機能の変化についてalb,PT,T.bil,Child-Pughの変化について検討した.解析はpaired t tsetを使用した.B-RTOは内頸静脈アプローチを基本とし,5%EOIを塞栓剤として使用,overnight留置とした.シースは8Fr,バルーンカテは6Frで,バルーン径は9~20mm,マイクロカテーテル併用とした.また副排血路処理はdown grading methodに加え,50%エタノール,マイクロコイルなどによる塞栓とした.複数のGRシャントや太い傍心膜静脈などをを有する場合はdual B-RTOとした.【成績】静脈瘤治療を適応とした場合,B-RTOにより胃および十二指腸などの異所性静脈瘤はすべて消失した.肝性脳症を適応としたケースでは,血中NH3も低下し,脳症はすべてのケースで消失した.肝機能はalb,PT,T.bil,Child-Pughはいずれも有意差をもって改善傾向であた.また肝機能不良で併存肝癌の治療ができなかったケースでも肝機能改善により治療ができ,良好な経過を示すケースも存在散見された.偶発症は短期的なものは認めず,長期的には食道静脈瘤の増悪を一部に認めたが,内視鏡治療により改善された.【結語】B-RTOは術後の門脈圧亢進はあるものの比較的有害事象も少なく,静脈瘤治療や脳症の治療の加え,肝機能改善効果にも優れていると思われた.
索引用語 B-RTO, 肝機能