セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝循環・門脈圧亢進症3 |
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タイトル | 肝P-334:バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)・部分脾動脈塞栓術(PSE)同時併用療法 |
演者 | 和栗 暢生(新潟市民病院・消化器内科) |
共同演者 | 五十嵐 俊三(新潟市民病院・消化器内科), 五十嵐 健太郎(新潟市民病院・消化器内科), 荒生 祥尚(新潟市民病院・消化器内科), 佐藤 里映(新潟市民病院・消化器内科), 佐藤 宗広(新潟市民病院・消化器内科), 相場 恒男(新潟市民病院・消化器内科), 米山 靖(新潟市民病院・消化器内科), 古川 浩一(新潟市民病院・消化器内科), 杉村 一仁(新潟市民病院・消化器内科) |
抄録 | 【緒言】胃静脈瘤(GV)や肝性脳症(HE)に対するバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)の有用性は確立しているが,我々は,B-RTOに伴う門脈圧上昇を緩和する目的で部分脾動脈塞栓術(PSE)を同時併用し,その有用性を報告してきた(JVIR 2012).今回は本同時併用療法の症例の蓄積により,その有効性・合併症・長期予後について検討した.【方法】対象は2005年からB-RTOが施行されたGV 29例(破裂緊急 5,破裂後待機 2,予防治療 22)と難治性HEの19例(GV重複症例6例).B-RTOは5% Ethanolamine oleate (EOI)にてovernight法で塞栓した.25例にゼラチンスポンジ細片によるPSEを同時併用した.GV消失率,HE改善度,食道静脈瘤(EV)の悪化,肝予備能の推移,合併症,長期予後などについて後方視的に検討した.【結果】B-RTOにPSEを同時併用しても,術時間,術後回復期間などにも差がなかった.GVに対するB-RTO手技完遂率は89.7%であった.不成功 3例のうち,1例は手術施行,2例はPSEのみ施行してGV縮小がみられた.HEは有意な改善を認めたが,長期的には背景肝病変の進行に伴い,あるいは新規シャント形成などからHE再顕性化症例が存在した.3か月以上経過観察例では,肝予備能検査値もB-RTO後,有意な改善をみた.同時併用群はB-RTO単独群に比較して5% EOIの必要量が有意に少なく,EV増悪も少なかった.PSEによる合併症はHE症例で多かった(脾膿瘍2例,肝肺症候群合併例の術後3ヶ月以内の早期死亡2例).【考察】GV症例では,PSEを加えてはじめてGV内の血流停滞が得られてB-RTOに成功した症例もあり,PSE併用がB-RTOに有利に働く可能性も示唆された.長期のEV増悪抑制効果も考慮すると,合目的併用治療となると思われた.一方HEに対してはB-RTOの効果は顕著であるものの,PSEの同時併用はその利益よりも合併症のリスクが懸念され,今後はB-RTO単独治療で必要十分と思われた. |
索引用語 | B-RTO, PSE |