セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝循環・門脈圧亢進症4 |
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タイトル | 肝P-337:内視鏡的食道静脈瘤治療前後における門脈圧亢進症性胃症(PHG)の検討 |
演者 | 細見 英里子(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科) |
共同演者 | 山本 龍一(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 大塚 武史(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 山口 菜緒美(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 高橋 正朋(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 原田 舞子(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 小林 泰輔(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 林 健次郎(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 平井 紗弥可(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 知念 克也(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 可児 和仁(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 長船 靖代(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 宮城 直也(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 石田 周幸(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 大野 志乃(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 櫻田 智也(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 加藤 真吾(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 名越 澄子(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 屋嘉比 康治(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科) |
抄録 | 【目的】門脈圧亢進症性胃症 (以下PHG)は門脈圧上昇により発生する胃粘膜のうっ血性病変である.食道静脈瘤に対する内視鏡的治療は,側副血行路が遮断されるためPHGを増悪させることが多いとされているが,変化しないとの報告もある.今回,食道静脈瘤の内視鏡的治療がPHGに及ぼす影響について検討した.【方法】対象は,2009年4月~2012年12月に食道静脈瘤治療目的で入院した124例のうち,内視鏡的治療前後に胃粘膜変化を追えた92例(男性;53例,女性;39例),計111件である.患者背景,食道静脈瘤治療効果,治療前後のPHGの変化について後ろ向きに検討した.PHG所見はMcCormack分類に従い,Mild(Superficial reddening,Snake skin appearance)とSevere(Cherry red spot,Diffuse hemorrhagic lesion)とに分類した.【成績】治療前のPHG所見は,Child-Pugh分類A(51件)ではPHGなし/Mild/Severeが17%/45%/38%,B(48件)は16%/69%/15%,C(12件)は10%/57%/33%と肝予備能による差はなかった.食道静脈瘤治療後のPHGの変化は,改善が22件(20%),不変81件(73%),増悪7件(6%)であった.改善したのは,Child-Pugh分類Aで12件(24%),Bで10件(20%)で,Cにはみられなかった.PHG所見の変化と治療後の静脈瘤F因子の改善度との有意な相関は認めなかったが,Child-Pugh Bの症例に限ると,PHG所見が増悪したのは,F因子が不変群では6%(1/18),1ランク改善した群では4%(1/26)であったのに対して,2ランク改善した群では25%(1/4)であった.【考察と結論】食道静脈瘤に対する内視鏡的治療後にPHGが改善したのは20%で,増悪例より多かった.PHGの改善には,新たな側副血行路の発達や供血路の遮断が関与している可能性が推定された. |
索引用語 | 食道静脈瘤, 門脈圧亢進症性胃症 |