セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝硬変・肝線維化3 |
---|---|
タイトル | 肝P-340:C型活動性肝硬変に対するIFN後SVRが得られた症例についての組織学的検討 |
演者 | 中野 弘康(大船中央病院・消化器肝臓病センター) |
共同演者 | 清水 弘仁(大船中央病院・消化器肝臓病センター), 松井 圭司(大船中央病院・消化器肝臓病センター), 藤川 智章(大船中央病院・消化器肝臓病センター), 天神 尊範(大船中央病院・消化器肝臓病センター), 吉田 篤史(大船中央病院・消化器肝臓病センター), 高塚 健太郎(大船中央病院・消化器肝臓病センター), 中崎 晴弘(大船中央病院・外科), 中野 雅行(大船中央病院・病理科), 岩渕 省吾(大船中央病院・消化器肝臓病センター) |
抄録 | 【目的】近年,肝硬変に対してIFN治療が積極的に行われ,ウイルスが駆除されることで肝機能のみならず線維化も改善される症例を経験する.ところが組織学的な治療評価に関しては,充分な検討が行われていない.我々はC型活動性肝硬変に対してIFN治療を導入しSVRを得た症例に対し,線維化の改善と発癌につき検討した.【方法】対象は,C型活動性肝硬変に対してIFN治療を導入してSVRが得られ,肝組織検査を行った22症例.SVR後数年後に肝組織検査を行い,組織学的に肝線維化を評価した.肝線維化の評価はビクトリアブルー染色にて行った.また得られた組織からSVR後の発癌を予測できるかどうか検討した.【成績】対象は脾処置せずのIFN4例,PSE先行IFN15例,脾摘後IFN3例.観察期間はSVR後1年~10年で,男性7例,女性15例,平均年齢59±6歳,SG1;12例,SG2;10例,HCVコア抗原2.216±3.122(fmol/L),ALT値103±62(IU/L),Alb値3.9±0.3(g/dl),T-bil値0.9±0.4(mg/dl),Plt値は各々12±2万/μl,8.5±3.4万/μl,4.9±0.4万/μlであった.SVR後のF4症例は11例で,8例においてビクトリアブルー染色にて弾性線維は多く密で,細胞成分は少なくregressive fibrosis(=Beyond LC)であった.またSVR後に発癌した症例は22例中6例に認められ,平均発癌時期は43±21ヶ月であった.このうち3例はF4であり,同染色にて弾性線維は少なく細胞成分が多く認められprogressive fibrosisと判断された.残りの3例は1例がIFN前からの発癌症例で,残り2例はNASH様の所見が混在していた.【結論】C型肝硬変でSVRが得られると弾性線維が細くなり吸収される過程が確認された.同じF4でも相反する過程を意味すると考えられ,将来的な予後の検討に結びつく可能性が示唆された.SVR後の発癌症例においては,進行性の線維化と軽度の炎症細胞浸潤が確認された. |
索引用語 | C型肝硬変, インターフェロン |