セッション情報 |
ポスターセッション(肝臓学会)
肝硬変・肝線維化3
|
タイトル |
肝P-341:ウィルス性肝炎患者の肝線維化に対する間接マーカーによる非侵襲的評価―肝細胞癌切除症例での検討―
|
演者 |
田中 肖吾(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)) |
共同演者 |
飯室 勇二(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 平野 公通(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 裴 正寛(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 中村 育夫(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 近藤 祐一(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 鈴村 和大(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 藤元 治朗(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)) |
抄録 |
【はじめに】ウィルス性肝炎では,肝線維化を把握することが重要であり,肝生検がgold standardであるが,侵襲があり診断の不一致も少なくない.一方,日常の採血データから算出できる線維化マーカーとしてFIB4(年齢,AST,ALT,血小板数から算出),AAR(AST/ALT),APRI(AST,AST正常上限値,血小板数から算出), AP index(年齢と血小板数のスコアの合計)が知られているが,その正診率,疑診率には検査により大きな差がある.【患者・方法】当科でウィルス性肝炎関連肝細胞癌切除345例(HCV抗体陽性268例,HBs抗原陽性67例,重複感染10例)を対象とした.肝線維化は切除標本で検討し,進行度は新犬山分類で診断した(F0/1/2/3/4:4例/26例/37例/98例/180例).上記4つの線維化マーカーが肝線維化マーカーとして有用か検討した.線維化の予測因子はLogistic 単変量解析を行いp<0.05の項目で多変量解析を行い,p<0.05の項目を独立予測因子と定義した.【結果】計算式に用いる項目以外で,APRIはALT値と相関関係を認めたが(Pearsonの相関 γ>0.40),FIB4,AARおよびAP indexは肝機能項目との相関を認めなかった.またFIB4とAPRIは線維化スコアと相関を認めた(Spearman順位相関 ρ>0.40).中等度線維化(F3/4)に対する独立予測因子はBMI値上昇,プロトロンビン活性低下,FIB4およびAPRI上昇であった.肝硬変(F4)に対する独立予測因子はBMI値上昇,プロトロンビン活性低下,FIB4,APRIおよびAP index上昇であった.肝硬変に対してROC曲線にて解析したところ,FIB4はAUC0.74,カットオフ値3.92,感度69%,特異度70%,APRIはAUC0.73,カットオフ値1.07,感度71%,特異度65%,AP indexはAUC0.65,カットオフ値9,感度61%,特異度62%であった.【まとめ】FIB4およびAPRIはウィルス性肝炎の線維化の指標として有用であると思われた. |
索引用語 |
FIB4, APRI |