セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝硬変・肝線維化3 |
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タイトル | 肝P-343:肝硬度による慢性肝疾患の肝癌リスク評価 |
演者 | 辰巳 明久(山梨大・1内科) |
共同演者 | 進藤 邦明(山梨大・1内科), 加藤 亮(山梨大・1内科), 倉富 夏彦(山梨大・1内科), 佐藤 光明(山梨大・1内科), 小松 信俊(山梨大・1内科), 三浦 美香(山梨大・1内科), 中山 康弘(山梨大・1内科), 井上 泰輔(山梨大・1内科), 前川 伸哉(山梨大・1内科), 坂本 穣(山梨大・1内科), 榎本 信幸(山梨大・1内科) |
抄録 | 【背景・目的】従来,肝線維化の診断による肝発癌リスク評価は肝生検にて行なわれてきたが,侵襲的でありスクリーニング検査としては行い難い.Transient Elastographyは肝線維化の程度を肝硬度(kPa)として非侵襲的に測定することができる.肝硬度測定が慢性肝疾患患者の肝癌リスク評価に有用であるかを検討するため,横断的に検討(1)肝癌担癌リスク評価,次に検討(2)肝発癌リスク評価を行った.検討(1)【対象と方法】対象は2010年1月-2012年12月に当科受診した慢性肝疾患患者で肝硬度測定を行った1002例.肝硬度の測定はFibroScan®(ECHOSENS, Paris, France)を用いて測定した.肝硬度,患者背景,臨床データをROC解析にて最適なcut off値を設け,肝癌に関連する因子を検討した.【結果】HCC群は246例,非HCC群は756例.C型肝炎は722例,B型肝炎は104例,NBNC型肝炎は176例であった.肝硬度はHCC群17.8(3.3-75.0),非HCC群7.4(2.8-72.0) kPaと有意にHCC群が高値であった.C型肝炎症例での,肝硬度のcut offは12.0kPaとし,多変量解析を行ったところ,年齢,性別,血清Alb値,肝硬度が独立危険因子であった.B型肝炎,NBNC型肝炎にては,肝硬度は有意な独立因子とはならなかった.次に検討(2)肝発癌リスク評価を行った.【対象と方法】C型肝炎非HCC群470例を前向きに経過観察し,肝発癌に関連する因子を検討した.【結果】観察期間中央値690日にて肝硬度12kPa以上の群で4例の肝発癌が見られた.また肝硬度12kPa未満では1例のみ発癌が見られた.肝硬度12kPa以上で0.66%/年となり,12kPa以下と比較し有意に発癌率が高かった.また臨床背景因子にて多変量解析を実施,肝硬度12kPa以上が唯一肝発癌に関連する独立因子として認められた.【結語】FibroScan®による肝硬度測定は,C型肝炎における肝癌リスク評価が可能であった. |
索引用語 | 肝発癌, 肝硬度 |