セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝硬変・肝線維化4

タイトル 肝P-345:

C型慢性肝炎における肝硬度(ARFI)と耐糖能の関連

演者 小平 俊一(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科)
共同演者 井手 康史(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 蒲池 紗央里(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 中下 俊哉(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 岩根 紳治(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 河口 康典(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 江口 有一郎(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 尾崎 岩太(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 水田 敏彦(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科)
抄録 【目的】近年FibroscanやARFI(Acoustic Radiation Force Impulse)などの肝硬度測定modalityの登場で,非侵襲的に肝線維化が評価可能となった.一方C型肝炎においてはその臨床上の特徴の一つに耐糖能異常があり,発癌やIFN治療との関連が報告されている.肝線維化は耐糖能異常に密接に関連しているが,肝硬度と耐糖能異常との関連は明らかでない.今回ARFIと糖代謝異常の関連について検討した.【方法】2010年6月~2013年2月に当院にてARFI, 75gOGTTおよび肝生検を施行したC型慢性肝炎68例(年齢60歳(40~75),男性26例)を対象とした.糖尿病治療歴がある例は除外.線維化別,OGTTパターン別のARFI,およびARFIとBS0, 30, 60, 90, 120分,IRI0, 30, 60, 90, 120分,HOMA-IRの相関を検討した.【成績】線維化別ARFIはF0,1:1.17±0.22, F2:1.37±0.39, F3:1.82±0.46, F4:1.76±0.38.OGTTパターン別ARFIはNGT:1.40±0.43, IGT:1.48±0.39, DM:1.54±0.67と耐糖能異常は進むに従いARFIは高値であった.ARFIとBSとの相関は,BS0:r=0.24(p=0.048), BS30:r=0.21(p=0.088), BS60:r=0.38(p=0.001), BS120: r=0.22(p=0.066)であり,ARFIとBSの関連が見られ,特にBS60との相関が最も強かった.IRIやHOMA-IRとの相関を認めなかった.【結論】ARFIによる肝硬度評価と耐糖能異常が関係することが示された.負荷後60分の血糖上昇は酸化ストレスを惹起することが報告されており,線維化や発癌との関連が想定されることから,ARFI高値例においては耐糖能異常に留意する必要がある.
索引用語 C型慢性肝炎, ARFI