セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝硬変・肝線維化4 |
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タイトル | 肝P-348:C型慢性肝炎の肝線維化診断における高周波探触子を用いたASQの有用性~Fib-4 indexとの比較 |
演者 | 桑木 健志(岡山大・消化器内科DELIMITER岡山大病院・超音波診断センター) |
共同演者 | 中村 進一郎(岡山大・消化器内科DELIMITER岡山大病院・超音波診断センター), 和田 望(岡山大・消化器内科), 森元 裕貴(岡山大・消化器内科), 竹内 康人(岡山大・消化器内科), 萩原 宏明(岡山大・消化器内科), 安中 哲也(岡山大・消化器内科), 大西 秀樹(岡山大大学院・分子肝臓病学), 池田 房雄(岡山大大学院・分子肝臓病学), 白羽 英則(岡山大・消化器内科), 能祖 一裕(岡山大大学院・分子肝臓病学), 山本 和秀(岡山大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】 東芝社の開発したASQ(Acoustic Structure Quantification)は超音波診断の重要所見の一つである画像の粗さを解析する方法であり,非侵襲的な肝線維化診断法の一つとして注目されている.今回我々は,C型慢性肝炎の肝線維化診断におけるASQの有用性について,検診や日常臨床で容易に算出できるFib-4 indexと比較検討した. 【方法】 2012年3月以降に当院で肝生検を行ったC型慢性肝炎症例のうち,生検前に高周波探触子を用いASQを測定した連続43例を対象とした. 超音波診断装置は同社のAplio500,探触子はPVT-674BT(中心5.2MHz,標準駆動周波数6MHz)を用いた.生検部位の肝実質超音波断面像をASQ-modeで記録し,取得したRAW dataをPC用ソフトPC-ASQRv1.01R002を用い解析した.depthを5cm,focusを3cm,ROIをdepth 4cmの位置で幅2.5cm以上となるよう設定し,得られたASQ値の平均値とSDを求めた.生検入院時の血液検査結果を基にFib-4 indexを求めた.生検組織の線維化のステージを新犬山分類で評価し,F値とASQ値,Fib-4 indexとの関係を調べた. 【成績】 肝線維化非進行群(F1以下,n=26)と肝線維化進行群(F2以上,n=17)におけるASQ値(Cm2%,mean±SD)はそれぞれ109.6±0.8,115.2±0.9,Fib-4 indexはそれぞれ1.8±0.3,3.3±0.4であった.肝線維化進行群では非進行群に比べ有意にASQ値が高く(p<0.001),Fib-4 indexも高かった(p=0.003). ROC解析の結果,ASQ値の最良カットオフ値は113 Cm2%,感度70.6%,特異度80.8%,AUCは0.833,Fib-4 indexの最良カットオフ値は2.706,感度64.7%,特異度84.6%,AUCは0.739であった. 【結論】 高周波探触子を用いたASQは,非侵襲的な肝線維化の診断に有用と思われた.またF2以上の肝線維化進行例の判別能はFib-4 indexよりも優れていた. |
索引用語 | ASQ, 肝線維化 |