セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝硬変・肝線維化4

タイトル 肝P-349:

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)におけるFibroScan(Transient elastography)を用いた肝線維化の経時的変化についての検討

演者 鈴木 香峰理(横浜市立大附属病院・消化器内科)
共同演者 米田 正人(横浜市立大附属病院・消化器内科), 今城 健人(横浜市立大附属病院・消化器内科), 桐越 博之(横浜市立大附属病院・消化器内科), 中島 淳(横浜市立大附属病院・消化器内科), 前田 愼(横浜市立大附属病院・消化器内科), 斉藤 聡(横浜市立大附属病院・消化器内科)
抄録 【目的】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者における肝線維化の経時的変化について,これまで肝生検結果で検討したものはいくつか報告されてきた.近年,肝線維化の程度を予測する非侵襲的方法として,FibroScan(Transient elastography)が報告されている.我々は,FibroScanを用いてNAFLD患者のliver stiffness measurement(LSM)をフォローアップすることにより,4年間の線維化ステージの経時的変化につき検討した.【方法】4年前に肝生検でNAFLDと診断され,さらにLSMを評価した97名のNAFLD患者のうち,LSMがフォローアップ可能であった36名につき線維化ステージの変化を比較した.線維化ステージは以前当院で報告したカットオフ値を用いた.また,4年間のLSM変化率と生化学検査や臨床データから得られる非侵襲的線維化マーカーの変化率との相関を調査した.【成績】初回測定時の内訳は,ステージ0(16名),ステージ1(8名),ステージ2(7名),ステージ3(3名),ステージ4(2名)であり,4年後にはステージ増悪を9名(25%),ステージ不変を17名(47.2%),ステージ改善を10名(27.8%)に認めた.特に初回測定時にステージ0であった16名中5名(31.3%)にステージ増悪を認めた.LSM変化率はFIB4 index(R = 0.519, p = 0.0011)およびAST-to-platelet ratio index(APRI)(R = 0.346, p = 0.0412)と相関を認めたが,その他の線維化マーカーとは相関がみられなかった.【結論】肝生検で線維化を伴わないNAFLD症例からの線維化進行例が報告されているが,FibroScanのフォローアップでも同様の結果であり注意深い経過観察が必要と考えられた.FibroScanは非侵襲的な検査法であり,大規模なコホート研究での経時的変化の把握,治療効果判定への応用も期待される.
索引用語 NAFLD, FibroScan