セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝不全・栄養療法3

タイトル 肝P-350:

内視鏡的食道静脈瘤結紮術時における分岐鎖アミノ酸顆粒製剤投与の有用性

演者 魚嶋 晴紀(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター)
共同演者 伊藤 亮治(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 所 慎之介(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 増田 作栄(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 佐々木 亜希子(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 小泉 一也(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 金原 猛(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 賀古 眞(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター)
抄録 [緒言]食道静脈瘤の内視鏡治療後に肝予備能が低下し腹水増悪等の有害事象が発生した症例の報告は少なくない.一方で分岐鎖アミノ酸製剤内服による肝予備能の改善が報告されている.われわれは非代償性肝硬変患者の食道静脈瘤に対し,内視鏡的食道静脈瘤結紮術を行い,その後の肝予備能の維持に対してリーバクト投与の有用性を検討した.[方法]2009年1月から2011年12月までに当院ならびに当院関連施設で食道静脈瘤に対して内視鏡的食道静脈瘤結紮術時施行され,加療後に1年以上経過観察可能であった52例に対し,後ろ向き検討を行った.上記対象例でリーバクト内服群36例と非内服群18例に分け,おのおの内視鏡治療前後におけるChild-Pugh(以下CP) scoreの推移を1ヶ月,3ヶ月,6ヶ月と経時的に比較検討を行なった.リーバクトは内視鏡治療施行の少なくとも1ヶ月前から投与され,1日リーバクト配合顆粒は1包(4.15g)を朝,昼,夕3包内服.このうち,80%以上内服可能であった症例を検討対象とした.6ヶ月後,12ヶ月後に画像検査を行なった.[結果]リーバクト内服群;平均年齢:66.2歳(mean SD ±7.2),男女比:1.8,CP score A/B /C:21/11/4,非内服群;平均年齢:68.9歳(mean SD ±6.3),男女比:2.2,CP score A/B /C:10/4 /4.CP score-EVL後の推移(変化量1ヶ月/3ヶ月/6ヶ月);リーバクト内服群:0.6/0.4/0.4,非内服群: 0.7/0.8/0.6.EVL施行1,3,6ヶ月後で2群間においてCP scoreの変化量に有意差(p<0.05)が認められ,肝予備能維持傾向が確認された.画像的な検討では,2群間において腹水の出現については有意差を認められず,治療後の食道静脈瘤破裂率も有意差を認めなかった.〔結語〕内視鏡的食道静脈瘤結紮術による肝予備能低下に対して,分岐鎖アミノ酸顆粒製剤投与は,肝予備能の維持に好影響を与える可能性が示唆された.
索引用語 静脈瘤, 分岐鎖アミノ酸