セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝不全・栄養療法3

タイトル 肝P-352:

BCAA顆粒は肝細胞癌患者のRFA治療後における肝機能改善だけでなく蛋白エネルギー代謝改善にも関わっている

演者 斉藤 雅也(神戸大大学院・消化器内科学)
共同演者 矢野 嘉彦(神戸大大学院・感染病理学), 平野 仁崇(神戸大大学院・消化器内科学), 百瀬 健次(神戸大大学院・消化器内科学), 吉田 優(神戸大大学院・消化器内科学), 東 健(神戸大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】肝細胞癌に対するRFA治療は,肝切除術やTACEと比べて侵襲の少ない治療法の一つである.しかしながら,RFA施行後に肝機能悪化を招くケースが散見される.BCAA顆粒はRFA施行後の肝機能改善効果を有していることが近年報告されてきているが,RFA施行後の蛋白エネルギー代謝への関与については未だ知られていない.そこで私たちは,BCAA顆粒がRFA施行後の蛋白エネルギー代謝に関与しているかどうかについて検索することを目的とした.【対象と方法】2009年8月から2012年12月にかけて当院でRFAにて初回治療を行った肝細胞癌患者40人を対象とした.年齢は平均値71.1歳(49-89歳),性別は男性24例,女性16例で,全例肝硬変 (Child A: 32, Child B: 8) である.治療前と治療後7日目,3カ月目において血液生化学検査を行い,治療前と治療後7日目に間接熱量測定を行った.リーバクト顆粒3包/分3毎食後に内服した群(BCAA群:13人)と非内服群(コントロール群:27人)の間において,治療後7日目及び3カ月目で差があるかどうか単変量解析にて検討した.【結果】治療前において,BCAA群ではコントロール群に比べて,非蛋白呼吸商(npRQ),血小板,ChE,Alb,preAlbが有意に低値であり,BCAA群のほうが治療前の肝機能が悪かった(p=0.024, 0.001, 0.006, 0.005, and 0.009).治療後7日目において,BCAA群ではコントロール群に比べて,npRQ 比(治療後7日目/治療前)が有意に高値を示した(p=0.019).ただ,両群間においてAlb比, PT%比に有意差を認めなかった.治療後3カ月目において,BCAA群ではコントロール群に比べて,Alb比(治療後3カ月目/治療前),PT%比が有意に高値を示した(p=0.018, 0.045).【結論】BCAA顆粒は肝細胞癌患者のRFA治療後における肝機能改善だけでなく蛋白エネルギー代謝改善にも関わっていると考えられた.蛋白エネルギー代謝改善のためにもBCAA顆粒内服は必要であると考えられた.
索引用語 BCAA顆粒, 蛋白エネルギー代謝