セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝不全・栄養療法4

タイトル 肝P-355:

分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比(Branched-chain amino acids to tyrosine ratio; BTR)による肝予備能評価は早期肝細胞癌の予後予測因子および再発規定因子である.

演者 石川 達(済生会新潟第二病院・消化器内科)
共同演者 窪田 智之(済生会新潟第二病院・消化器内科), 木村 成宏(済生会新潟第二病院・消化器内科), 堀米 亮子(済生会新潟第二病院・消化器内科), 本田 博樹(済生会新潟第二病院・消化器内科), 岩永 明人(済生会新潟第二病院・消化器内科), 関 慶一(済生会新潟第二病院・消化器内科), 本間 照(済生会新潟第二病院・消化器内科), 吉田 俊明(済生会新潟第二病院・消化器内科)
抄録 【目的】肝細胞癌の治療法の選択において腫瘍進展度とともに肝予備能が重要な指標となる.これまで肝予備能の評価としてChild-Pugh分類が世界的に最も広く利用されているが,Child-Pugh分類では蛋白代謝栄養状態を的確に評価するために血清アルブミン値が用いられている.一方,アミノ酸代謝状態による肝予備能評価は注目されていなかった.アミノ酸代謝を反映する分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比(BTR)は,血清アルブミン低下に先行して低下することも報告されている.そこで,BTRが早期肝細胞癌の予後予測因子となりうるか,また,異所性再発規定因子となりうるか検討した.【方法】当科において長期経過が観察できた初発早期肝細胞癌50例に対し,TACE/RFA前のBTRと血清アルブミン値の相関性を検討し,BTRを層別化し,Cox比例ハザード,Kaplan-Meier法によりBTRが予後規定因子及び異所性再発規定因子になりうるかを検討した. 【結果】BTRを4.0以上と4.0未満に層別化し,予後規定因子につき,多変量解析を行うと,ハザード比0.30(p=0.031)で最大予後規定因子であった.異所性再発はBTR 4.0以上では1年10.74%,2年22.97%であったが,4.0未満では22.96%.64.33%であった.多変量解析を行うとBTR 4.0 以上であることがハザード比0.27(p=0.038)で最大異所性再発規定因子であった. 【結論】BTRは,早期肝細胞癌の予後規定因子であり,最大の異所性再発規定因子である.
索引用語 肝予備能, BTR