セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝不全・栄養療法4 |
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タイトル | 肝P-356:肝疾患のどのような症例にカルニチン補充療法を施行するべきか |
演者 | 足立 卓哉(岡山済生会総合病院・内科) |
共同演者 | 藤岡 真一(岡山済生会総合病院・内科), 石原 裕基(岡山済生会総合病院・内科), 岡本 雄貴(岡山済生会総合病院・内科), 河原 聡一郎(岡山済生会総合病院・内科), 下村 泰之(岡山済生会総合病院・内科), 關 杏奈(岡山済生会総合病院・内科), 川上 万里(岡山済生会総合病院・内科), 大澤 俊哉(岡山済生会総合病院・内科), 糸島 達也(岡山済生会総合病院・内科) |
抄録 | [背景・目的]肝硬変患者の高アンモニア血症は日常診療で遭遇する機会は多い.血清アンモニアを下げる治療法の一つとしてカルニチン(レボカルニチン製剤)補充が最近注目されており,当院処方例を検討した. [対象・方法]当院で肝疾患患者にレボカルニチン製剤を処方した32例のうち,1か月以上内服歴があり,かつ高アンモニア血症に用いた21例を対象とした.また,処方前血清アンモニアが,1か月後アンモニアと比較し低下した群と低下しなかった群を検討した.比較検討項目は背景肝,脳症既往,血清アンモニア,Child-Pugh score(C-P),血清アルブミン(Alb),総ビリルビン,血清総コレステロール(T-C),血清コリンエステラーゼ(ChE),BMI,大腰筋(臍レベルの断面積を身長の2乗で割り補正),食道静脈瘤有無,内服薬(高分岐鎖アミノ酸製剤,緩下剤,亜鉛製剤)有無,レボカルニチン製剤処方量,投与後観察期間.[結果]対象の平均年齢69.9歳,男/女:10/11人.背景肝はいずれも肝硬変で,B型1例,C型12例,アルコール性6例,自己免疫性肝炎1例,原発性胆汁性肝硬変1例.処方前の血清アンモニア平均は133.6(μg/dl).平均C-P9.5点.高分岐鎖アミノ酸製剤は20例,緩下剤は15例,亜鉛製剤は5例で内服.レボカルニチン製剤処方量平均840mg/日.2群間で有意差のある項目は認めなかったが,低下群で血清アンモニアが高く(p=0.076),C-Pが高く(p=0.22),血清Albが低く(p=0.38),大腰筋が小さい(p=0.35)傾向であった.C-P別に検討をすると,C-P10点以上の患者群では処方前と処方1か月後の血清アンモニアは有意に低下傾向にあった(p=0.0038).[考察]C-Pが10点以上の症例ではレボカルニチン製剤投与で有意に血清アンモニアが低下することが示唆された.血清T-Cや血清ChEに関しても低下群ではやや低い傾向にあり,肝不全進行例で栄養状態不良,筋力低下症例にレボカルニチン製剤投与でアンモニア低下が期待できる可能性が考えられた. |
索引用語 | カルニチン, 高アンモニア血症 |