セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝不全・栄養療法4

タイトル 肝P-358:

当院における高アンモニア血症・肝性脳症に対するカルニチンの使用経験

演者 新井 弘隆(前橋赤十字病院・消化器内科)
共同演者 谷口 昌子(前橋赤十字病院・消化器内科), 会澤 大介(前橋赤十字病院・消化器内科), 小林 修(前橋赤十字病院・消化器内科), 小林 剛(前橋赤十字病院・消化器内科), 長島 多聞(前橋赤十字病院・消化器内科), 佐藤 洋子(前橋赤十字病院・消化器内科), 土岐 譲(前橋赤十字病院・消化器内科), 大塚 修(前橋赤十字病院・消化器内科), 飯塚 賢一(前橋赤十字病院・消化器内科), 豊田 満夫(前橋赤十字病院・消化器内科), 高山 尚(前橋赤十字病院・消化器内科), 阿部 毅彦(前橋赤十字病院・消化器内科)
抄録 【目的】カルニチンは脂肪酸がミトコンドリア膜を通過する際の必須ビタミン様物質であり,多くのミトコンドリア酵素に関与して尿素回路等を制御する.肝硬変ではその生合成の低下などによりカルニチン欠乏症が発症することが報告されている.また,カルニチン製剤の投与による高アンモニア血症と肝性脳症の改善が国内外で報告されている.今回我々は,当院における高アンモニア血症・肝性脳症の患者に対しレボカルニチン製剤を投与し,その早期治療効果について検討したので報告する.【方法・対象】当院外来通院または入院中の高アンモニア血症・肝性脳症患者7例(男性4例,女性3例,平均年齢66±13.5歳)に対して,レボカルニチン製剤 900~1800mg/日を経口投与し,投与前後における血中NH3値等の変化を検討した.また肝性脳症の変化についても観察した.【成績】薬剤投与量は平均 1585±348mgで,中央値 1800mgであった.7例中5例で肝性脳症の改善がみられた.NH3値は,投与前,2ヶ月後,4ヶ月後でそれぞれ,95.5±32.7,59.3±13.1,34.3±2.9μg/dlであった.T-bil,Alb,PT,Cr,Hbには有意な変化はみられなかった.【結論】レボカルニチン製剤の投与により,NH3値が低下傾向となり,肝性脳症の改善に有効であった.長期的な有効性と安全性については,今後さらなる治療経験の集積と検討が必要である.
索引用語 カルニチン, アンモニア