セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝不全・栄養療法4

タイトル 肝P-359:

肝臓外科でのレボカルニチンの使用経験

演者 大場 範行(静岡県立総合病院・外科)
共同演者 京田 有介(静岡県立総合病院・外科), 高木 正和(静岡県立総合病院・外科), 渡辺 昌也(静岡県立総合病院・外科), 大端 考(静岡県立総合病院・外科), 佐藤 真輔(静岡県立総合病院・外科), 瀧 雄介(静岡県立総合病院・外科)
抄録 【はじめに】カルニチンは高アンモニア血症や肝性脳症の新しい治療薬として話題になっている.今回,肝硬変を伴う術後患者の高アンモニア血症や筋痙攣に対してL-カルニチン製剤を投与したので,その結果を報告する.【対象・方法】当院で手術された肝硬変を伴う患者7名にL-カルニチン製剤(塩酸レボカルニチン,以下本剤)を投与した.肝細胞癌が6例,脾機能亢進症に伴う脾摘除術後が1名である.【結果】1 高アンモニア血症や脳症患者に対する効果4例の患者に本剤600~900mgを投与,1例は投与後1ヶ月でアンモニア値が低下し4ヶ月後には正常となった.他の1例は投与後脳症で入院する頻度が減少した.残り2例もアンモニア値が低下したが1例は再度上昇,他の1例はふらつきを訴え早期に投与を中止した(図).2 筋痙攣に対する効果 筋痙攣を訴える3例に本剤を投与,すべての患者で本剤投与後に筋痙攣の頻度や程度が軽くなった.300mgと少ない投与量で効果を認めた.2例でふらつきの訴えがあったが血圧低下など理学所見は認めなかった.【結語】本剤は肝硬変患者に投与することにより高アンモニア血症の改善,肝性脳症の増悪の予防する可能性がある.また筋痙攣に対しても比較的少量の投与での効果が示唆された.
索引用語 カルニチン, 高アンモニア血症