セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)原発性肝癌-発癌3 |
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タイトル | 肝P-361:初発肝細胞癌の臨床的特徴 |
演者 | 雨宮 史武(市立甲府病院・消化器内科) |
共同演者 | 早川 宏(市立甲府病院・消化器内科), 津久井 雄也(市立甲府病院・消化器内科), 小林 祥司(市立甲府病院・消化器内科), 門倉 信(市立甲府病院・消化器内科), 山口 達也(市立甲府病院・消化器内科), 大塚 博之(市立甲府病院・消化器内科), 進藤 邦明(山梨大・1内科), 中山 康弘(山梨大・1内科), 井上 泰輔(山梨大・1内科), 前川 伸哉(山梨大・1内科), 坂本 穣(山梨大・1内科), 榎本 信幸(山梨大・1内科) |
抄録 | 【目的】当院では2011年10月より消化器内科診療を再開した.再開後当科へ入院した初発肝細胞癌の臨床的特徴について検討した.【方法】2011年10月1日から2012年12月31日までに当科に入院した初発肝細胞癌(HCC)45例を対象とした.これらをHBs抗原単独陽性(HBV群)4例(8.9%),HCV抗体単独陽性(HCV群)24例(53.3%),HBs抗原およびHCV抗体陰性(NBNC群)17例(37.8%:アルコール4例,PBC 1例,原因不明12例)に分類し検討した.【結果】HBV/HCV/NBNC各群の平均年齢は55.0/70.9/74.9,男女比はそれぞれ4:0/12:12/14:2であった.糖尿病の合併率(%)は25.0/16.7/56.3とNBNCで高率で原因不明群では75.0とさらに高率であった.AFP陽性率は75.0/37.5/25.0,PIVKA-II陽性率は75.0/37.5/75.0であった. Child-Pugh分類(A/B/C)の割合(%)はHBV 100/0/0,HCV 41.7/50/8.3,NBNC 82.4/11.8/5.8であった.Stage分類(I/II/III/IV)の割合(%)はHBV 25.0/25.0/25.0/25.0,HCV 29.2/37.5/25.0/7.8,NBNC 5.9/47.1/29.4/17.6であった.最大腫瘍径の平均(mm)は36.0/30.8/47.9とNBNCで大きい傾向にあった.肝内についてなんらかの画像検査を定期的にうけていた割合は50.0/87.5/18.8とNBNC群で有意に検査をうけておらず,NBNC群の中で慢性肝疾患としてのfollow中はわずか4例(23.5%)であった【考察】NBNC群が全体の37.8%を占めていた.NBNC群は高齢で糖尿病合併症例が多く,今回の検討では有意差は認めなかったものの肝予備能はNBNCでよい傾向にあり,腫瘍径も大きかった.NBNC群の70%以上が慢性肝疾患としてのサーベイランスをうけておらず,肝癌発生危険群としての囲い込みが十分できていないことを反映している.【結語】非B非C型肝細胞癌は確実に増加している.早期に発見するためには職場や市町村の住民検診を徹底し,また診療科を超えた連携が非B非C型肝細胞癌を見落とさないために重要である. |
索引用語 | 初発肝細胞癌, 非B非C |