セッション情報 |
ポスターセッション(肝臓学会)
原発性肝癌-発癌3
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タイトル |
肝P-362:飲酒量別の肝癌の臨床的特徴―非B非Cとウイルス性との比較―
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演者 |
多田 俊史(大垣市民病院・消化器内科) |
共同演者 |
熊田 卓(大垣市民病院・消化器内科), 豊田 秀徳(大垣市民病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】飲酒量別の肝癌の臨床的特徴を非B非Cとウイルス性に分け明らかにする.【方法】1990年から2012年の間に肝細胞癌と診断された1877例を飲酒量と背景肝別に比較・検討をした.【成績】1)非B非C(253例)とウイルス性(1624例)別に,飲酒量(なし/常習/大酒)は140/38/75と1176/310/138,年齢は79.6と66.3歳,性別(男/女)は196/57と1152/471,Child-Pugh分類(A/B/C)は165/64/24と1030/448/145であった.2) 診断時の肝癌に関して,A)飲酒なし例では腫瘍径は5.8cmと3.7cm,個数(単発/多発)は72/67と632/541,Vp3(あり/なし)は26/114と122/1050,Stage(I/II/III/IVa/IVb)は19/52/32/33/4と300/433/253/149/41で,腫瘍径,Vp,Stageで有意差が認められた.定期通院(あり/なし)は91/49と926/250で,有意差が認められた.B)常習例では腫瘍径は5.5cmと4.3cm,個数(単発/多発)は14/24と137/173,Vp3(あり/なし)は9/28と50/259,Stage(I/II/III/IVa/IVb)は6/11/10/10/1と64/103/64/66/13であった.定期通院(あり/なし)は19/19と227/83で,有意差が認められた.C)大酒家例では腫瘍径は5.4cmと4.5cm,個数(単発/多発)は33/42と47/91,Vp3(あり/なし)は12/63と26/111,Stage(I/II/III/IVa/IVb)は12/23/24/12/4と22/41/38/31/6であった.定期通院(あり/なし)は48/27と92/46であった.3) 非B非Cとウイルス性別に,全体の累積生存率(3年/5年/10年)は42.7%/37.0%/17.6%と53.0%/39.1%/20.0%,飲酒なし例では42.5%/37.0%/19.6%と54.2%/40.9%/20.2%,常習例では32.0%/32.0%/32.0%と54.2%/39.0%/23.6%,大酒家例では47.3%/39.4%/14.3%と40.9%/25.4%/10.7%であり,全体および飲酒なし例において有意差が認められた.【結論】飲酒なし例において非B非C群で腫瘍径が有意に大きく,生存率が低い結果となったが,飲酒例においては飲酒量に関係なく背景肝別に有意差は認められなかった.非B非C飲酒なし例ではNASHなどの背景が考えられるが,定期的なフォローがされておらず,進行して発見される例が多いため予後不良になると考えられた. |
索引用語 |
肝癌, アルコール |