セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-発癌4

タイトル 肝P-368:

C型肝炎合併肝細胞癌に対するラジオ波焼灼術後のインターフェロン治療は予後に寄与する独立因子である

演者 玉井 秀幸(和歌山県立医大・2内科)
共同演者 新垣 直樹(和歌山県立医大・2内科), 森 良幸(和歌山県立医大・2内科), 森畠 康策(和歌山県立医大・2内科), 上田 和樹(和歌山県立医大・2内科), 井上 泉(和歌山県立医大・2内科), 前北 隆雄(和歌山県立医大・2内科), 井口 幹崇(和歌山県立医大・2内科), 加藤 順(和歌山県立医大・2内科), 一瀬 雅夫(和歌山県立医大・2内科)
抄録 【目的】C型肝炎合併肝細胞癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)後のインターフェロン(IFN)治療が予後に寄与する独立因子であるか明らかにする.【方法】2001年4月より2011年11月の間,当科でRFAを施行したC型肝炎合併初発肝細胞癌369例を対象とした.平均年齢70±8歳,男性208例,女性161例,Child A 242例,B 121例,C 6例.平均腫瘍径25.0±11.9mm(10-83mm),平均腫瘍数1.4±0.8個(1-5個),3cm,3個以内,Child A or Bの適応内277例,適応外92例.再発・生存に寄与する因子をCox回帰分析を用いて解析した.【成績】RFA後IFN治療129例(全例ウイルス排除目的),非治療240例.IFN治療群と非治療群の背景因子の比較では,年齢,血球数,線維化マーカー,Child分類,PIVKA-II,腫瘍径,腫瘍数に有意差がみられた.5年,7年,10年再発率は,全症例でそれぞれ78.3%,86.0%,92.1%,IFN治療群で72.2%,78.5%,90.6%,非治療群で82.1%,91.6%,91.6%と有意差がみられた.5年,7年,10年生存率は,全症例でそれぞれ56.4%,40.2%,22.4%,IFN治療群で79.9%,59.1%,45.8%,非治療群で41.9%,28.1%,11.2%と有意差がみられた.単変量解析による再発に寄与する因子は,IV型コラーゲン7S,ヒアルロン酸,NH3,肝生検A grade,F stage,腫瘍数,腫瘍径,AFP-L3分画,Child分類,IFN治療であった.多変量解析ではVI型コラーゲン7S,腫瘍数,AFP-L3分画が有意な因子であり,IFN治療は有意な因子ではなかった.単変量解析で生存に寄与する因子はHb,血小板,IV型コラーゲン7S,ヒアルロン酸,NH3,F stage,腫瘍数,腫瘍径,AFP-L3,Child分類,IFN治療であったが,多変量解析ではIV型コラーゲン7S,NH3,腫瘍数,Child分類,IFN治療(HR; 0.328,95%CI; 0.223 -0.481)が有意な因子であった.【結論】RFA後のIFN治療は予後改善が期待でき,可能な症例には積極的に行うべきである.
索引用語 ラジオ波焼灼療法, インターフェロン