セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-診断3

タイトル 肝P-369:

肝細胞癌遠隔転移と血小板の関係

演者 森元 裕貴(岡山大病院)
共同演者 能祖 一裕(岡山大病院), 和田 望(岡山大病院), 竹内 康人(岡山大病院), 宮原 孝治(岡山大病院), 萩原 宏明(岡山大病院), 桑木 健志(岡山大病院), 安中 哲也(岡山大病院), 大西 秀樹(岡山大病院), 三宅 康広(岡山大病院), 中村 進一郎(岡山大病院), 白羽 英則(岡山大病院), 高木 章乃夫(岡山大病院), 山本 和秀(岡山大病院)
抄録 【目的】 血小板が末梢血循環癌細胞表面に付着することにより免疫監視機構から逃れることが転移成立に重要であるとされている.当科での肝細胞癌患者において,血小板を始めとする臨床データと肝外転移との関連を検討した.【方法】 1.1991年~2012年の間に肝細胞癌治療を受けた1288症例において,初回治療時で転移陽性症例と転移陰性症例とで血小板数を比較した. 2.同時期に非根治治療を受けた患者689人を抽出し,肝外転移の累積発生率を検討した. 3.初回非根治治療時の臨床パラメーター10種と肝外転移リスクとの関連を,Cox比例ハザードモデルを用いて解析した.【結果】 1.初回治療時転移陽性症例は24例.転移陽性症例と転移陰性症例とで血小板数をWilcoxonの順位和検定で解析したところ,転移陽性症例で血小板数は有意に高値であった(p<.0001). 2.非根治治療症例の平均観察期間は22.5か月であった.この間に65人の患者で肝外転移が発生した.肝外転移の累積発生率は,初回非根治治療後6か月・1年・2年・5年で各々1.7%・5.1%・10%・23.9%であった. 3.肝外転移リスク因子として,単変量解析では「最大腫瘍径>30mm」「腫瘍個数4個以上」「DCP>40mAU/ml」「脈管侵襲陽性」「HCV陽性」「Plt>10万/μL」「Child-Pugh grade:A」が抽出された(P<0.05).多変量解析では「DCP>40mAU/ml」「腫瘍個数4個以上」「Plt>10万/μL」「Child-Pugh grade:A」が統計学的に有意であった.【結論】 非根治治療を受けた肝細胞癌患者において,腫瘍個数・DCP・Child-Pugh gradeなど既知の危険因子に加え,血小板数が多いことが治療後の肝外転移と有意に関連していた.
索引用語 原発性肝癌, 遠隔転移