セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)原発性肝癌-診断4 |
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タイトル | 肝P-376:肝細胞癌サーベイランスにおける,腹部超音波検査の信頼度評価基準の提言 |
演者 | 三神 信太郎(東京大・消化器内科) |
共同演者 | 建石 良介(東京大・消化器内科), 近藤 真由子(東京大・消化器内科), 藤原 直人(東京大・消化器内科), 佐藤 雅哉(東京大・消化器内科), 南 達也(東京大・消化器内科), 内野 康志(東京大・消化器内科), 榎奥 健一郎(東京大・消化器内科), 淺岡 良成(東京大・消化器内科), 近藤 祐嗣(東京大・消化器内科), 五藤 忠(文京動坂診療所), 椎名 秀一朗(順天堂大・消化器内科), 吉田 晴彦(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科) |
抄録 | 【背景】肝癌サーベイランスで,超音波検査で結節が検出されない場合,その結果がどの程度信頼できるかは,その後の追加検査等の判断に影響する.肥満や肝萎縮,粗造な肝実質などは,超音波検査結果の信頼度を下げる要因である.本研究は超音波検査結果の信頼度をスコア化し,その有効性を検討した. 【方法】2000年2月から2010年12月に肝癌サーベイランス対象となった3187人のうち,同期間中に初発肝癌と診断された313人を対象とした.肝癌診断の契機となった検査により,患者を超音波群と腫瘍マーカー群に分けた.超音波画像を「肝萎縮度」「肥満度」「肝実質粗造の度合い」でスコア化し,合計点から検査の信頼度をGood, Fine, Poor, Wasteで評価した.初発肝癌診断時の各検査項目と超音波検査の信頼度の相関を検討した. 【成績】年齢中央値68.3歳,男性185例(59%),HBs抗原単独陽性31例(10%),HCV抗体単独陽性253例(80%)で,Child-Pugh分類A 215例(69%),B 94例(30.0%),C 4例(1%),腫瘍数は1個 190例(60%),2~3個 96例(31%),4個超 27例(9%)で,最大主腫瘍径は平均21.2±7.7mmであった.超音波検査の信頼度の内訳はGood 69.6%,Fine 22.4%,Poor 7.0%,Waste 1.0%であった.超音波検査上肝細胞癌が描出されていた割合はGood 95.8%,Fine 82.9%,Poor 59.1%,Waste 33.3%と,検査の信頼度と共に低下した.萎縮度と血小板数が,肥満度とHCV抗体陽性が,肝実質粗造の度合いとChild-Pugh Score,HBs抗原陽性,HCV抗体陽性が,それぞれ有意に相関していた. 【結語】超音波検査の信頼度が低い場合,腫瘍マーカー高値でCT等の追加検査をする価値はあるが,信頼度が高い場合,追加検査の有効性は低い.超音波検査の信頼度評価は,効率的な診療に寄与する情報である. |
索引用語 | 超音波検査, 評価基準 |