セッション情報 |
ポスターセッション(肝臓学会)
原発性肝癌-診断4
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タイトル |
肝P-377:肝細胞癌の悪性度評価における腫瘍肉眼型予測の重要性
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演者 |
住江 修治(久留米大・消化器内科) |
共同演者 |
黒松 亮子(久留米大・消化器内科), 中野 聖士(久留米大・消化器内科), 佐谷 学(久留米大・消化器内科), 山田 慎吾(久留米大・消化器内科), 岡村 修祐(久留米大・消化器内科), 鳥村 拓司(久留米大先端癌治療研究センター), 佐田 通夫(久留米大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】病理学的門脈侵襲(mvp)は肝細胞癌の腫瘍悪性度に関連する重要な危険因子の一つであるが,治療前にmvp合併を予測することは困難であり,治療選択における確立された因子ではない.今回,腫瘍悪性度予測における腫瘍肉眼型評価の有用性を検討した.【方法】検討(1):1995/1月~2009/12月に30mm以下肝細胞癌で外科切除が施行された143例において,mvpの予測因子を解析した.検討(2): 2008/10月~2012/8月に30mm以下肝細胞癌で外科切除が施行された56例57結節において,術前のEOB-MRI,MDCT,CEUS(Sonazoid)により肉眼型の予測を行い,それぞれの的中率を評価した.【成績】検討結果(1): 20mm以下の肝細胞癌53例においては,腫瘍肉眼型(単純結節周囲増殖型+多結節癒合型)のみがmvpの独立予測因子であった.腫瘍マーカー(AFP/PIVKAII)はmvpと有意な関連が見られなかった.また,21-30mmの肝細胞癌90例においては,腫瘍肉眼型及びPIVKAII(>100mAU/mL)がmvpの独立予測因子であった.検討結果(2):術後病理組織における腫瘍肉眼型は57結節中,単純結節型が36結節,単純結節周囲増殖型が11結節,多結節癒合型が10結節で,平均腫瘍径20.2±5.0mmであった.EOB-MRI,MDCT,CEUSによる肉眼型予測の的中率はEOB-MRIで46/57 (81%),MDCTで42/57 (74%),CEUSで41/57 (72%) とEOB-MRIが肉眼型予測の的中率が最も高かった.また,EOB-MRIでは,肉眼型別の結果でも,単純結節型が86%,単純結節周囲増殖型が73%,多結節癒合型が70%と,すべての肉眼型おいてMDCTやCEUSよりも的中率が高かった.【結語】腫瘍肉眼型はmvpの有無を評価する上で最も有用な予測因子であった.特に,20mm以下の肝細胞癌においては,唯一mvp(腫瘍悪性度)を反映する因子であり,EOB-MRIを中心とした画像診断により肉眼型を評価し,治療方針決定に役立てることが有用である. |
索引用語 |
肝細胞癌, 腫瘍肉眼型 |