セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)原発性肝癌-診断4 |
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タイトル | 肝P-378:肝癌の生物学的悪性度評価をどのように行うか?―当科におけるラジオ波単独療法後の局所再発結節からの解析 |
演者 | 岩塚 邦生(東京医大・消化器内科) |
共同演者 | 杉本 勝俊(東京医大・消化器内科), 安藤 真弓(東京医大・消化器内科), 佐野 隆友(東京医大・消化器内科), 宮田 祐樹(東京医大・消化器内科), 村嶋 英学(東京医大・消化器内科), 平良 淳一(東京医大・消化器内科), 今井 康晴(東京医大・消化器内科), 中村 郁夫(東京医大・消化器内科), 森安 史典(東京医大・消化器内科), 齋藤 和博(東京医大病院・放射線科), 坂巻 顕太郎(横浜市立大・臨床統計学・疫学) |
抄録 | 【目的】肝細胞癌(HCC)のラジオ波焼灼療法(RFA)後の局所再発に関連する因子について解析し,HCCの生物学的悪性度と最も関連する因子を抽出する.【方法】2008年1月から2012年12月まで,当院でRFAを施行したHCCのうち,肝動脈塞栓術併用結節,RFA後の治療評価が肝癌治療効果判定基準でTE4a,TE4b以外の結節,最大腫瘍径が3cmを超える結節は除外し,最終的に76症例102結節を対象とした(平均年齢70.9歳,男:女/72:30,平均腫瘍径26.3mm).局所再発はdynamic CTないしEOB-MRIにてRFA焼灼領域に接するようにHCCの再発が認められた場合と定義し,結節ごとに局所再発の有無を追跡した.局所再発に関連する腫瘍因子として,腫瘍径,EOB-MRI肝細胞相におけるcontrast-to-noise ratio(EOB-MRI CNR),拡散係数(ADC),織学的分化度,腫瘍マーカー(AFP,AFP-L3,PIVKA-II),大血管の隣接の有無とし,これらの腫瘍因子に関し局所再発との関連につき統計学的解析を行った.【成績】102結節中16結節(15.7%)に局所再発を認めた.局所再発の有無に関し各因子において解析を行った結果,PIVKA-IIだけが統計学的有意差を認めた(P<0.01).その他の因子に関しては,統計学的有意差は認めないものの,局所再発群においてEOB-MRI CNR値が大きく(P=0.11),腫瘍径が大きく(P=0.17),大血管に隣接する傾向が認められた(P=0.16).【結論】PIVKA-II上昇は門脈などの脈管浸潤を示唆する所見と考えられ,本邦では肝移植術においても,独立した予後規定因子とされている.本検討結果より,RFAの適応と考えられる結節においても,PIVKA-IIが比較的高い結節は生物学的悪性度が高く,RFA単独治療法では不十分である可能性がある. |
索引用語 | RFA, 局所再発 |