セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)原発性肝癌-局所治療5 |
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タイトル | 肝P-379:門脈腫瘍塞栓を有する進行肝細胞癌に対する微粉末シスプラチン製剤(アイエーコール)動注化学療法の成績 |
演者 | 鳥巣 勇一(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科DELIMITER富士市立中央病院・内科) |
共同演者 | 石川 智久(富士市立中央病院・内科), 上田 薫(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科DELIMITER富士市立中央病院・内科), 五味 優子(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科DELIMITER富士市立中央病院・内科), 水野 雄介(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 杉田 知典(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 中野 真範(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科DELIMITER富士市立中央病院・内科), 相澤 摩周(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 佐伯 千里(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 北原 拓也(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 佐藤 健一(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 天野 克之(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 穂苅 厚史(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 高橋 宏樹(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 高木 一郎(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 銭谷 幹男(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 貞岡 俊一(東京慈恵会医大附属病院・放射線科), 田尻 久雄(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科) |
抄録 | 【目的】当院における門脈腫瘍塞栓を有する進行肝細胞癌患者に対するアイエーコール肝動注化学療法(CDDP-TAI)の有効性を検討した.【方法】2007年11月から2012年5月にCDDP-TAIによる治療を開始した門脈腫瘍塞栓を有する肝細胞癌32例(男性24例,女性8例)を対象とした.平均年齢68.6歳,背景肝因子はHBV:4例,HCV:20例,NBNC:8例,Child-pugh分類はA:11例,B:18例,C:3例,肝癌stageは全例stage4で,門脈腫瘍栓はVP1:5例,VP2:3例,VP3:13例,VP4:11例であった.アイエーコールの一回当たりの投与量は65mg/m2とし,治療は画像上腫瘍の増大を認めるまで,患者状態が許す限り前治療から一ヶ月以上あけて繰り返した.治療効果はCDDP-TAI施行1ヶ月以降の造影CT画像を用いてRECISTに基づき判定した.群間の比較はMann-WhitneyのU検定もしくはχ2検定で行い,累積生存率はKaplan-Meier法で算出した.【成績】CDDP-TAIの平均施行回数は1.8回(1-7回)であった.PR:5例,SD:12例,PD:15例で,奏効率15.6%,病勢制御率53%であった.生存期間の中央値(MST)は190日で1年生存率は25.9%であった.生存に影響を及ぼす治療前因子の単変量解析では,AST値80U/l以下(p=0.047),AFP値1000ng/ml以下(p=0.09),DCP値1000mAU/ml以下(p=0.11)で有意に生存率が良好であった.奏効例のMSTは524日で非奏効例の183日に比し有意に生存期間の延長を認めた(p=0.005).また病勢制御例のMSTは274日で非病勢制御例の73日に比し有意に生存期間の延長を認めた(p=0.002).【結語】CDDP-TAIは門脈腫瘍塞栓を有する進行肝細胞癌において奏効例,病勢制御例で生存期間の延長を期待できる治療と考えられた. |
索引用語 | 肝細胞癌, CDDP |