セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-局所治療6

タイトル 肝P-388:

中規模市中病院におけるC型肝細胞癌の治療成績

演者 後藤 亨(大森赤十字病院・消化器内科)
共同演者 井田 智則(大森赤十字病院・消化器内科), 諸橋 大樹(大森赤十字病院・消化器内科)
抄録 【目的】C型肝炎を背景とした肝細胞癌(C-HCC)は高頻度の再発や肝機能悪化により予後が不良なため集学的治療が可能なhigh volume centerでの診療が良いとの意見がある.一方,中心的診療である局所治療や動注治療などは中規模病院で可能であり,設備より専門医の熱意が重要とも言われている.そこで局所治療を中心に診療している中規模病院である当院の成績を検討した.【方法】HCCの診断は,平成18年にCone-Beam CT,21年にソナゾイドエコー,22年にEOB-MRIを導入し,2cm以下の発見を目標,治療は可能な限りRFAを基本とした局所治療,進行例は動注療法とし,22年からはソラフェニブを導入した.また再発予防にIFNを積極的に施行した.今回,11年6月から25年2月当科で診療したHCC376例中,初発309例を対象にC-HCC(C群)とそれ以外(non-C群)の成績を比較,次にC-HCCの治療成績をJISスコア別に算出した.また当科の治療成績が向上したかを,診療設備が充実する前の17年3月の時点と比較した.【成績】C群173例(男:女113:60,71±9歳),non-C群136例.全生存率はC群3年73%,5年55%,non-C群3年77%,5年74%(p<0.05),3cm3個以内ではC群126例3年85%,5年67%,non-C群92例3年92%,5年89%(p<0.01),無再発生存率C群3年38%,5年27%,non-C群3年60%,5年53%と(p<0.01),C群が不良であった.C群JIS別の生存率ではJIS0(72例)3年91%5年74%,JIS1(57例)3年77%5年53%,JIS2(25例)3年70%5年45%と層別化された(p<0.01).17年3月の時点のC群の生存率は全98例で3年74%5年57%,3cm3個以内74例で全生存率3年86%5年63%,無再発生存3年35%5年19%であり,それに比し現時点は3cm3個以内のもので成績が向上していた.【結論】C-HCCは他のHCCに比し治療成績は不良だが時代とともに向上しており,中規模市中病院でも十分に診療可能と考えられた.
索引用語 C-HCC, 中規模市中病院