セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-分子標的治療4

タイトル 肝P-390:

ソラフェニブ中止例における後治療の効果についての検討

演者 川添 聖治(佐賀県立病院好生館・肝胆膵内科)
共同演者 村山 賢一郎(佐賀県立病院好生館・肝胆膵内科), 荒木 紀匡(佐賀県立病院好生館・肝胆膵内科), 大座 紀子(佐賀県立病院好生館・肝胆膵内科), 秋山 巧(佐賀県立病院好生館・肝胆膵内科), 大塚 大河(佐賀県立病院好生館・肝胆膵内科)
抄録 【はじめに】肝細胞癌に対するソラフェニブ治療中止後のセカンドラインについてはエビデンスのある治療法は現時点では存在しない.しかし後治療が可能な症例については,その予後延長効果が報告されている.当科におけるソラフェニブ投与例について後治療の効果を検討した.【対象】当院において2008年7月より2012年4月までにソラフェニブを投与した50例.平均年齢73.7歳,男性41例,女性9例,stage II6例,III13例,IVa12例,IVb19例,Child A39例,B11例.脈管浸潤あり19例,遠隔転移あり21例.【結果】ソラフェニブの最大治療効果はCR0例,PR6例,SD18例,PD26例であった.ソラフェニブ投与開始後の生存期間は,後治療あり群の中央値511日で,BSC群の114日に対し有意差を認めた(P<0.0001).ソラフェニブ治療終了時点でChild AおよびB,PSが0~2であった36例についてBSC群(P群),肝内病変治療群(TACE,TAI,HAIC;H群),全身化学療法群(S群)で比較したところ,PS,肝外転移,脈管浸潤に3群間に有意差なく,S群でChild Bが有意に多かった.ソラフェニブ中止後の生存中央値はP群54日,H群521日,S群274日で,H群が有意に長期生存していた(P<0.0001).【考察】腫瘍増悪,有害事象などによりソラフェニブを中止せざるを得ない症例は多い.しかしPSや肝予備能が比較的保たれている場合は再度既存の治療を行う事で予後延長が得られる.また一部の症例では肝内病変を標的とした治療法により,さらに予後を改善出来る可能性が示唆された.
索引用語 sorafenib, HCC