共同演者 |
厚川 正則(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 近藤 千紗(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 中川 愛(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 安良岡 高志(日本医大・消化器内科), 橋本 知美(日本医大・消化器内科), 福田 健(日本医大・消化器内科), 松下 洋子(日本医大・消化器内科), 城所 秀子(日本医大・消化器内科), 楢原 義之(日本医大・消化器内科), 中塚 雄久(日本医大・消化器内科), 金沢 秀典(日本医大・消化器内科), 岩切 勝彦(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 坂本 長逸(日本医大・消化器内科) |
抄録 |
【背景】進行肝細胞癌に対するSorafenibの成績が報告されているが, より良好な治療効果のため様々な工夫が施行されている. C型慢性肝炎においてIFN投与による肝細胞癌の発症抑制効果や,腎細胞癌でのSorafenib, IFN併用療法の相乗効果の報告がある. 我々は肝細胞癌に対するPEG-IFN併用Sorafenib療法の有用性と安全性について検討した.【対象,方法】PEG-IFN, Sorafenib併用療法を導入したC型慢性肝炎合併進行肝細胞癌7例.年齢中央値78歳(72-84),男性6例,女性1例,前治療はTACE6例,RFA1例,治療導入時の肝予備能ChildA6例, B1例,腫瘍進行度III6例,IVa1例.PVTTを1例認めた.十分な説明と同意を得てPEG-IFNを先行投与し有害事象の有無を確認後Sorafenib400mg/dayの併用を開始した.本研究は当院薬物治験倫理委員会の了承を得て施行された.PEG-IFN導入前後およびSorafenib併用前後の抗腫瘍効果について評価した.【結果】平均投与日数は304日.PR3例,SD3例,PD1例であり,奏効率は42.9%(3/7),病勢コントロール率は85.7%(6/7),平均無増悪期間は258日であった.各種検査値の変化は,それぞれ(PEG-IFN導入時,Sorafenib併用開始時,併用1M後,3M後)でAFP(879.7, 744.1, 700.9, 1978.5 ng/ml),VEGF(131.7, 95.1, 100.8, 109.3 pg/ml)であった.食欲不振1例,下痢2例gでSorafenib200mgへと減量した.全例で手足症候群を認めていない.その他重篤な合併症を認めず現在も全例治療継続中である.【考察】C型慢性肝炎合併進行肝細胞癌に対しIFN単独先行投与時にAFPは低下傾向に認めており, 抗腫瘍効果を認めた可能性がある.SorafenibとIFNの併用効果について今後も有害事象に十分に注意し慎重に経過観察し生存期間を含めて検討していく. |