セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)原発性肝癌-分子標的治療5・局所治療7 |
---|---|
タイトル | 肝P-394:進行肝細胞癌Stage IVB症例に対する治療の再検討 |
演者 | 松井 哲平(東邦大医療センター大森病院・消化器内科) |
共同演者 | 永井 英成(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 小林 康次郎(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 松井 太吾(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 金川 武徳(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 金山 政洋(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 籾山 浩一(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 池原 孝(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 渡邉 学(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 石井 耕司(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 五十嵐 良典(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 住野 泰清(東邦大医療センター大森病院・消化器内科) |
抄録 | 【背景】肝細胞癌治療のアルゴリズム2010において,肝外病変を来たしたChild A症例に対してはソラフェニブ(SF),そしてChild BまたはCに対しては緩和治療が推奨されているが,積極的な治療を望む患者もあり,治療選択にはまだ検討の余地が残されていると思われる.【目的】Child-Pugh class Aでstage IVBの進行肝細胞癌(aHCC)症例の治療方針を,SF投与と過去の肝動注化学療法の治療成績から探る.【対象】2002年2月から2012年1月までに肝動注化学療法(HAIC)を導入したChild-Pugh class AでStageIVの進行肝細胞癌(aHCC)患者46症例[Stage IVA37例(H-IVA群),IVB9例(H-IVB群)]と2010年5月から2012年12月までにSFを投与したChild-Pugh class Aでstage IVBの11症例(SF-IVB群)を対象とした.【方法】H-IVA群またはH-IVB群では,HAICをLeucovorin 12mg/hrとCDDP 10mg/hrで投与した後に5-FU 250 mg/22hrを投与し,5日間連続投与後2日間休薬を4週間施行,これを可能な限り繰り返した.SF-IVB群では,SF400mg/body/dayを可能な限り投与,またはTACEなどの後治療を追加した.【結果】HAICの肝内HCCに対する奏功率は,H-IVA群29.7%,H-IVB群11.1%であった.生存期間の中央値は,H-IVA群496日,H-IVB群413日,SF-IVB群222日であり,H-IVA群とH-IVB群は有意差を認めなかったが共にSF-IVB群に比し延長傾向を認めた.直接死因では,H-IVB群は肝内のHCC増悪に伴うHCC11例,肝不全9例,その他2例であり,SF-IVB群はHCC5例,肝不全2例,その他1例(生存3例)であった.【結語】Child Aでstage IVB症例に対する治療において,直接死因が肝内のHCCの増悪に伴うHCC死が多く,肝内のHCCコントロールが重要であることが明確となり,肝内のHCCコントロールが容易と成りやすいHAICの方がSF投与よりも生存期間の延長を望める可能性が示唆され,新たにHAICもアルゴリズムへ追記できる可能性が示唆された. |
索引用語 | 肝細胞癌, ソラフェニブ |